教員の転職先おすすめ12選|異業種・教育業界の人気職種を紹介

この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る京都市出身。学生時代から教員の道を志すも教育実習で課題感を感じ、まずはビジネス経験を積もうと総合コンサルティングファームのABeamConsultingに入社。その後、学んだ後に求められる力を採用の領域で体感したいと株式会社リクルートに転職。人事採用領域とまなび(教育)領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、まなび事業部では年間最優秀マネジャーとして表彰。その後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。コンサルタント兼プロジェクトマネージャーとして大手学習塾やブランド大学など教育系企業のプロジェクトを多数担い、担当した案件の全てを当初計画予定以上の成功に導く。京都精華大学 非常勤講師(キャリア科目)。
「教員を辞めたいけれど、次のキャリアが不安…」。そんな悩みを抱えていませんか?実は、教員経験を活かせる仕事はあなたが思っている以上に多く存在します。
この記事では、教員におすすめの転職先から、転職を成功させるための具体的なステップまでを徹底的に解説します。自分らしい働き方を見つけるための、最初の一歩としてぜひご活用いただけると嬉しいです。
教えるスキルやコミュニケーション能力は、教育業界だけでなく、ITや営業、福祉など様々な分野で高く評価される強みになります。
教員の転職は年々増加している

近年、教員の転職者数は増加傾向にあり、多くの人が次のキャリアに向けて新たな一歩を踏み出しています。その背景には、教員特有の課題と、新しい働き方への期待があります。
教員の転職事情
総務省の統計からも、教職を離れる人の割合は年々高まっています 。特に20代〜30代の若手教員を中心に、転職を考える傾向が顕著で、「自分らしい働き方」や「ライフワークバランス」を求めた結果転職へとつながることも多くあります。
普通退職者数合計(人) | 25歳未満 | 30歳以上35歳未満 | 35歳以上40歳未満 | |
---|---|---|---|---|
平成26年 | 5,423 | 242 | 1,375 | 1,024 |
平成29年 | 5,932 | 356 | 1,599 | 1,093 |
令和2年 | 6.801 | 482 | 1,889 | 1,400 |
令和5年 | 17,502 | 841 | 3.153 | 2,072 |
※総務省 地方公務員の退職状況等調査より
参考:文部科学省「令和4年度 学校教員統計調査」(離職理由・年代別傾向)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01232.html
教員が転職を考える理由
教員が転職を考えるきっかけは様々ですが、主に以下のような理由が挙げられます。
- 生徒・保護者対応に精神的に疲弊している
- 長時間労働や持ち帰り仕事が常態化している
- 自分の人生やキャリアの選択肢を広げたい
- 結婚・出産・育児・介護といった生活の変化に対応しづらい
特に「精神的・時間的な余裕のなさ」からくる不安は大きく、心身の不調をきっかけに転職を決意する方も多く見受けられます。
長時間労働でワークライフバランスが崩壊
教員の業務は授業だけでなく、部活動、行事準備、家庭訪問や保護者対応など多岐にわたります。
- 平日は早朝出勤から夜遅くまでの勤務が当たり前になる。
- 土日も部活動やイベントで、休みがほとんどない。
- 有給休暇が取りづらく、体調不良でも無理をして出勤する。
このような状況が続くと、プライベートの時間が思うように取れなかったり、教員を続けていくことに対して体力的な不安を感じることもあるでしょう。
中には、「一度立ち止まって働き方を見直したい」「自分の生活を大切にしたい」と転職を考える方も出てきます。
年功序列ではなく、成果が評価される職場で働きたい
教職は年功序列の風土が根強く、成果を上げても評価や待遇に反映されにくい傾向があります。
- 学級経営や進路指導といった、目に見えにくい成果が多い。
- 頑張りを評価する仕組みが曖昧に感じられる。
- 役職や昇給も、実績より年次で決まることが多い。
一方、民間企業では成果主義を取り入れている職場も多くあります。
「努力が報われる環境で働きたい」と感じる教員経験者にとって、こうした環境は非常に魅力的に映ります。スピーディなキャリアアップを目指す方にとっても、転職は有効な選択肢となるでしょう。
教員からの転職者は、給与が下がっても満足度が高い傾向
「転職したら給与が下がるのでは…?」という不安はつきものです。しかし実際には、仮に給与が下がったとしても、転職後の満足度が非常に高いと答える人が多いのが現実です。
その理由として、以下のような声が聞かれます。
- 残業が減り、心身ともに余裕が生まれた。
- 家族や友人との大切な時間が増えた。
- 仕事の成果が明確に評価されるようになった。
- 新しいスキルを習得し、人脈も広がった。
つまり、給与だけでは測れない「自分らしさ」や「人生の充実度」を実感できることが、高い満足度に繋がっているのです。
教員の転職先おすすめ12選!

教員の経験を活かしやすい転職先を、「スキルの活かしやすさ」「ワークライフバランス改善度」「転職難易度」の3軸で比較しながらご紹介します。
★の数は多いほど該当度が高いことを示します。
※各項目の評価は、弊社(コトブック)のキャリアアドバイザーへのヒアリングや転職実績に基づいています。
学習塾や予備校の講師
- スキルの活かしやすさ:★★★
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★☆☆
「教えることが好き」という想いをそのまま活かせる王道の転職先。授業力・教科知識・進路指導の経験がダイレクトに活きます。勤務時間は夜型になりがちなので、家庭との両立は要注意。
学習塾の教室マネジメント職
- スキルの活かしやすさ:★★★
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★★☆
教員経験を活かして、教室全体の運営に関わるポジション。スタッフ育成・売上管理・保護者対応など、多岐にわたる力が必要です。マネジメント志向の方におすすめ。
教材開発
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★★☆
教科書・問題集・動画教材などを企画・編集する仕事。教員としての“授業を組み立てる力”が活かせます。専門性が高く、企業ごとの文化にも適応が必要です。
Edtech企業
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★★★
教育×テクノロジーで急成長中の業界。指導経験をベースに、営業・企画・マーケティングなどに挑戦できます。変化が速い業界なので柔軟性が求められます。
学校事務
- スキルの活かしやすさ:★☆☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★☆☆
同じ教育現場でありながら、安定した働き方が叶う職種。定時退勤・土日休みが基本です。教務経験が評価されることもあり、落ち着いた環境を求める人に最適。
児童発達支援
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★☆☆
発達に特性のある子どもたちの成長を支援する仕事。特別支援や個別指導の経験がある方には親和性が高いです。心理・福祉系の知識が求められる場面もあります。
大学職員
- スキルの活かしやすさ:★☆☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★★★
福利厚生や年収の面で非常に人気の高い職種。倍率は高いですが、教育への理解や組織運営経験が活きることも。安定志向の方には魅力的な選択肢です。
研修講師
- スキルの活かしやすさ:★★★
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★★☆
社会人向けの研修や新人教育を担当します。プレゼン力・人前で話す力をそのまま活かせるため、元教員には適職。フリーランスや委託契約が多く、働き方には幅があります。
営業職
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★☆
- 転職難易度:★★☆
“話す力”“聞く力”が求められる営業職は、意外にも教員経験者と相性が良い分野。教育系の商材を扱う営業なら、現場感覚が強みになります。
カスタマーサクセス
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★★☆
SaaSなどのIT企業で、サービスを使う顧客を支援するポジション。利用者との丁寧なコミュニケーションが求められるため、保護者対応・個別対応の経験が活きます。
人材紹介会社のキャリアアドバイザー
- スキルの活かしやすさ:★★☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★★☆
就職・転職を支援するポジション。進路指導や面談の経験が活かせます。相手の悩みを引き出し、寄り添う姿勢が求められるため、教育現場で信頼関係を築いてきた方に向いています。
未経験採用を積極的に行っている職種(事務・人事・広報など)
- スキルの活かしやすさ:★☆☆
- ワークライフバランス改善度:★★★
- 転職難易度:★☆☆
事務系職種は業界を問わずニーズが高く、未経験からの転職もしやすい分野。マルチタスクや丁寧な仕事ぶりをアピールすれば、教員経験も評価につながります。
【教員から転職】転職成功事例
教員から異業種へ転職した3名の事例をご紹介します。
Aさん:教員から大手学習塾の塾講師に
30代前半/中学校教員(国語・図書館司書)→大手学習塾の専任講師
転職理由:
- 生徒一人ひとりと丁寧に向き合える環境で働きたかった
- 教科指導だけでなく、リーダー育成やICT活用に力を入れていたが、現場の制約が多く限界を感じた
転職活動の工夫:
- 国語科・図書館司書・国際教室担当など幅広い経験を整理し、自分の強みを言語化
- 地域連携やICT教育の取り組みを具体的にアピールできるよう事例をまとめた
- 「教えることが好き」で終わらせず、「どう教えたか」「どう変化したか」を強調
現在の働き方:
- 授業準備や教案研究の時間がしっかり取れ、日々の教育に集中できる環境に満足
- ICTを使った教材作成や教務マニュアル作成など、得意領域を任せられることも増えている
本人コメント(編集):
「“何を教えるか”より“どう学ばせるか”を重視する塾の方針が、自分のスタンスと一致していて驚くほどフィットしました。今は、ようやく“生徒と向き合う教育”ができていると実感しています」
Bさん:教員から大手求人メディアの営業職に
30代前半/小学校教員 → 求人メディア企業の法人営業職
転職理由:
- 結婚を機に、土日休み・フレックス・在宅制度など柔軟な働き方ができる職場を求めた
- 「教える」ことから「伝える・提案する」力をビジネスの場でも活かしたいと考えた
転職活動の工夫:
- 保護者・児童・同僚と信頼関係を築いてきた経験を「関係構築力」としてアピール
- 体育主任・学校行事責任者としての調整力やプロジェクト遂行経験を、営業活動や社内調整業務に通じる力として具体的に説明
- 面接では「営業=人を動かす力」と捉え、これまでの“伝える力”“状況判断力”を言語化
現在の働き方:
- フレックス制度やリモート勤務が導入されており、プライベートとの両立が実現
- 顧客企業の課題を聞き出し、最適な採用プランを提案するスタイルが自分に合っていると実感
本人コメント(編集):
「“授業づくり”も“営業提案”も、“相手に伝わる設計”という意味では本質が似ていると気づきました。今は“売る”というより“相手の成功を一緒に考える”という姿勢で仕事ができています」
Cさん:教員からキャリアアドバイザーに
20代後半/中学校教員(理科・ICT推進担当)→ 教育・若年層特化の人材紹介会社キャリアアドバイザー
※ICT…情報通信技術(Information and Communication Technology)
転職理由:
- 生徒の進路実現に向き合う中で、「もっと柔軟な支援ができる立場になりたい」と感じた
- 画一的な指導よりも、一人ひとりの人生に寄り添える仕事に魅力を感じた
転職活動の工夫:
- 自クラス全員の進路実現や、ICT活用による校務効率化など、成果を数値と事例で明確にアピール
- 生徒・保護者・地域と信頼関係を築いてきたことを、キャリア支援の“伴走力”として置き換えて伝えた
- ICTリーダーやプロジェクト推進経験を、企画提案力・社内連携力の証明材料として活用
現在の働き方:
- 対面+リモートを併用しながら、若年層や第二新卒の就職・転職支援に従事
- 目標設定から面接練習、企業とのマッチングまでを一貫して担当し、やりがいを感じている
本人コメント(編集):
「かつて生徒に向けていた“あなたならできる”という思いを、今は求職者に届けています。一人ひとりの可能性を信じ続ける姿勢は、教育もキャリア支援も変わりません」
教員の転職活動を成功させるために欠かせないポイント
次のキャリアで何を得たいのか明確にする
「とにかく教員を辞めたい」ではなく、「次はどんな働き方をしたいのか」「何を大切にしたいのか」を具体的に言語化することが大切です。
たとえば:
- 子どもと関わり続けたい → 児童福祉や教育支援
- 土日休みでプライベートを充実させたい → 一般企業の事務や営業
- 自分の成長も実感したい → IT業界や企画職など挑戦要素のある職種
自己分析がしっかりできているほど、面接でも納得感のある受け答えができ、選考通過率も上がります。
教育業界に精通しているエージェントを選ぼう
教員からの転職には、特有の不安や疑問がつきものです。
こうした悩みに対応できるのは、教育業界や教員のキャリアに理解のある転職エージェントです。
- 教員経験って民間で通用するの?
- どの職種が向いているか分からない
- 履歴書や面接が久しぶりすぎて不安
単なる求人紹介ではなく、「気持ち」にも寄り添ってくれるエージェントを選ぶことが成功のカギになります。
「教育転職ドットコム」なら教員から異業界への転職が得意
教育転職ドットコムは、教員専門の転職支援サービスとして多くの実績があります。教員からのキャリアチェンジを目指す方にとって、心強いパートナーとなるサービスです。
特徴 | 内容 |
万全のサポート体制 | 教員出身のキャリアアドバイザーが専属でサポートします 。あなたの経歴や悩みを深く理解した上で、最適なアドバイスを提供します 。 |
豊富な求人数 | 教育関連の求人はもちろん、一般企業まで幅広く対応しています 。あなたの可能性を狭めることなく、多様な選択肢の中から検討できます 。 |
確かな転職実績 | 公立・私立を問わず、数多くの教員からの転職支援実績があります 。特に「教育以外の業界も見てみたいけど不安」という方におすすめです 。 |
転職を検討している段階でも大丈夫!まずは無料相談しよう
「まだ辞めるかどうか決めていない…」「どんな選択肢があるのかだけでも知りたい」。
そんな方でも全く問題ありません。教育転職ドットコムでは、転職を迷っている段階からのご相談も心から歓迎しています。今の職場で悩んでいること、自分に向いている仕事は何か、キャリアの棚卸しの仕方など、どんなことでも構いません。まずは無料の個別相談で、あなたの想いをじっくり整理してみませんか。
まとめ
教員の転職は、決して「逃げ」ではなく、より自分らしい人生を築くための「新しい一歩」です。あなたが教育現場で懸命に積み重ねてきた経験は、様々な業界で活かすことができる素晴らしい財産です。
- まずは自己分析と、信頼できるエージェント選びから始めよう。
- 成功事例を参考に、自分の明るい未来像を具体的に描こう。
あなたのキャリアは、あなた自身が選び取っていくものです。もし今、少しでも迷っているなら、それこそが動き出す最高のチャンスなのかもしれません。
この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る京都市出身。学生時代から教員の道を志すも教育実習で課題感を感じ、まずはビジネス経験を積もうと総合コンサルティングファームのABeamConsultingに入社。その後、学んだ後に求められる力を採用の領域で体感したいと株式会社リクルートに転職。人事採用領域とまなび(教育)領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、まなび事業部では年間最優秀マネジャーとして表彰。その後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。コンサルタント兼プロジェクトマネージャーとして大手学習塾やブランド大学など教育系企業のプロジェクトを多数担い、担当した案件の全てを当初計画予定以上の成功に導く。京都精華大学 非常勤講師(キャリア科目)。