教室運営の仕事内容とは?講師からのキャリアアップ

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教育転職ドットコム 田中

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教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。

教室運営は「教育者」でありながら「経営者」としての視点が求められる、非常にやりがいのある仕事です。

この記事では、元業界経験者の視点も交えながら、教室運営のリアルな仕事内容、求められるスキル、そして気になる「きつさ」までを包み隠さず解説します。

講師からのステップアップや、異業界からのキャリアチェンジを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

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教育業界専門の
キャリアアドバイザーが担当

教室運営の主な仕事内容

教室運営の仕事

学習塾の仕事は大きく分けると、教務(教える仕事)と、運営(経営・管理の仕事の2つにわかれます。

特に教室長や運営に関わるポジションでは、「教室全体を成り立たせるための広い業務」を担います。

一般的に、教室運営の業務は大きく分けて以下の4つの柱で成り立っています。

業務領域主な内容
① 生徒・保護者対応面談、進路指導、学習状況のフィードバック、クレーム対応
② 講師の採用・育成アルバイト講師の採用面接、シフト管理、研修、モチベーション管理、定着支援
③ 売上・数値管理講習提案、売り上げ管理、経費管理、利益率の把握
④ 生徒募集問い合わせ対応、入塾面談、販促活動

生徒・保護者対応

教室運営において最も基本かつ重要な業務です。 

生徒の成績管理はもちろんですが、教室長になると特に保護者とのコミュニケーションが教室の評価や継続率に直結します。

単なる学習報告ではなく、「安心して子どもを任せられる教室かどうか」を判断される場でもあります。

対応業務具体的な内容               目的・ポイント
定期面談・成績報告、模試結果のフィードバック
・次期の学習プラン、講習の提案
・受験校の選定などの進路相談
成績向上と合格を実現するための、具体的な行動計画を保護者と確認し合う場です。
日々のケア・「家で勉強しない」等の家庭学習の悩み
・「学校に行きたがらない」等の生活相談
・送迎時の立ち話や電話連絡
保護者の不安を取り除き、生徒と家庭との信頼関係を構築します。
トラブル対応・「成績が上がらない」という不満
・「講師と合わない」等の相性問題
・授業料やシステムに関する問い合わせ
責任者として誠意ある対応を行い、問題解決と信頼感の払拭(退会防止)に努めます。

 保護者は「我が子を安心して預けられるか」を見ています。

教育知識だけでなく、保護者の不安を取り除く「傾聴力」「対人調整力」が求められます。

講師の採用・育成

特に個別指導塾の場合、多くの大学生アルバイト講師が在籍しています。彼らをマネジメントし、質の高い授業を提供できる組織を作ることが必要です。

対応業務   具体的な内容             目的・ポイント
採用面接・学力試験の実施
・人柄やコミュニケーション能力の確認
授業の質を担保するため、生徒との相性を見極めることが重要です。
シフト管理・生徒の希望と講師の空き時間を組み合わせるスケジューリング
・急な欠勤・変更への対応
生徒・講師双方の満足度を維持しながら、授業が滞りなく回る体制を構築することが目的です。多くの講師を抱えるほど、調整力が求められます。
育成・研修・授業の進め方や指導方法の共有
・生徒への接し方や報告ルールなどの指導
・規律や責任感に関する指導
講師のモチベーションを保ちつつ、プロ意識を持って働いてもらうための育成手腕が問われます。

売上・数値管理

特に教室長は「教育者」であると同時に「店舗責任者」です。

学習塾は教育サービスである一方、事業として成り立たせる必要があり、教室長には経営者視点で健全な財務基盤を築く責任が求められます。

対応業務 具体的な内容               目的・ポイント
売上目標の管理・月次の授業料収入の把握
・季節講習(夏期・冬期・春期など)の売上目標設定
・目標に対する進捗管理・調整

会社(組織)としての利益責任を果たすことが目的です。現状を数値で把握し、必要に応じて施策を打つ計画力・実行力が求められます。
KPI管理     ・入会率・退会率の分析
・問い合わせ件数・体験授業参加率の把握
・数値に基づいた改善策の立案・実行
教室の状況を感覚ではなく数値で捉え、戦略的に業績を改善していく力が求められます。課題発見力、分析力、PDCAを回す力が重要です。

生徒募集

どれだけ良い授業をしていても、生徒がいなければ教室は成り立ちません。

新規生徒を獲得するための「マーケティング・営業活動」も重要な仕事です。

対応業務具体的な内容                目的・ポイント
問い合わせ対応    ・Webサイト・チラシ・広告経由の新規問い合わせ対応
・電話・メールでのヒアリングと初期案内
最初の接点で好印象を持ってもらい、体験授業や面談へスムーズにつなげることが目的です。
初動対応の質が、その後の入会率に直結します。
入会面談・体験授業後の生徒・保護者へのヒアリング
・塾のシステム・カリキュラム・料金の説明
・入会手続き・契約締結
一方的な説明ではなく、生徒・保護者の課題や希望に合わせた最適なプランを提案することが重要です。
納得感のある提案が、入会(売上)の確定につながります。
販促活動・校門前でのチラシ配布
・地域へのポスティング
・体験授業などの企画
教室の存在を地域に浸透させ、興味・関心を持つターゲット層との接点を増やすことが目的です。地道な活動が、安定した問い合わせにつながります。

教室運営の「やりがい」と「きつさ」

教室運営は、生徒の成長を間近で見られる「教育」の側面に加え、「経営」というシビアな側面を併せ持ちます。
ここでは、理想と現実のギャップも含め、教室運営のリアルを包み隠さずお伝えします。

やりがい①:裁量権・経営視点

「どんな教室にするか」「どうやって生徒を集めるか」といった戦略の多くが、教室長や教室運営職の裁量に任されていることが多いです。

  • 自分の考えたキャンペーンで生徒が増えたとき
  • チーム(講師陣)と協力して目標数値を達成したとき

こうした「自分でビジネスを動かしている」という実感は、一講師では味わえない大きな醍醐味です。

現場で経営戦略を実践できるため、キャリアアップとして非常に価値のあるステップと言えます。

やりがい②:人材育成・組織作り

生徒の成績アップや合格報告はもちろん嬉しいですが、「講師(大学生アルバイトなど)の成長」も大きな喜びです。

最初は頼りなかったアルバイト講師が、指導を通じて責任感を持ち、就職活動で立派な内定を勝ち取っていく姿を見守ることができます。

「塾でのアルバイトのおかげで成長できました」という言葉をもらえた時の感動は、何物にも代えがたいものです。

きつさ①:営業ノルマと数値責任

多くの転職者がギャップを感じるのがここです

 特に大手塾の場合、月ごとの入会数や、夏期・冬期講習の売上目標(ノルマ)が明確に設定されることが多いです。

業務内容  具体的な活動プレッシャー・難しさ
講習提案生徒の成績アップに必要なカリキュラムや、季節講習(夏期・冬期)を保護者に提案します。保護者への営業力と提案スキルが強く問われます。
退会阻止退会希望の連絡が入った際、丁寧に理由をヒアリングし、解決策を提示して引き留める交渉を行います。「教育」と「売上維持」のバランスをとりながら、生徒を思いとどまらせる交渉術が必要です。

「教育のため」という想い「会社の数字」の板挟みになり、悩むことも少なくありません。

きつさ②:講師・保護者対応

人間相手の仕事ゆえのストレスもあります。

業務内容具体的な活動難しさ・求められる資質
講師の急な欠勤対応     当日の欠勤連絡(体調不良など)に対し、代替講師の手配や、見つからない場合は教室長自身が緊急で授業を担当する。授業を止めるわけにはいかないため、高い危機管理能力と瞬発力が求められます。
理不尽なクレーム保護者からの厳しい意見やお叱り、時には理不尽に感じるようなクレームへの対応。感情的にならずに状況を収拾し、教室の信頼を守るための精神的なタフさが必要です。

活かせる!異業種からのポータブルスキル

「未経験から教室運営職を目指すのは無理ですか?」 

その心配は全く必要ありません。

むしろ、営業職や販売職、サービス業で培ったスキルの方が、教室運営においては強力な武器になるケースが多々あります。ここでは、異業種から転用できる「ポータブルスキル」について解説します。

営業職の「数値管理・目標達成力」

教室運営の仕事の約半分は、数字を作ることです。営業職で培った以下のスキルは、そのまま即戦力として評価されます。

スキル名   具体的な内容教室運営での活用シーン
目標からの逆算思考(KPI管理能力)「目標売上○○万円達成のため、何件の面談が必要か」など、最終目標から必要なプロセスを導き出す能力。売上目標に基づき、問い合わせ数や面談数を設定し、日々の行動を計画する。
提案力(クロージング力)顧客(保護者)の潜在的なニーズや不安を聞き出し、最適なプラン(コース・講習)を提示して契約に結びつける力。入会面談で、保護者に納得感と安心感を与え、入会・講習契約へと繋げる。

販売職の「対人折衝・課題解決力」

アパレルや小売店などの販売職、飲食店の店長経験なども非常に活かせます。

スキル名     具体的な内容教室運営での活用シーン
ホスピタリティ保護者や生徒を温かく迎え入れ、清潔で居心地の良い学習環境を提供する力。顧客満足度を高め、教室への定着率や口コミを向上させる。
傾聴と提案顧客(保護者)の話を深く聞き出し、言葉にされていない潜在的な学習課題や悩みを特定する力。面談で生徒・保護者の本質的なニーズを把握し、最適な解決策(カリキュラム)を提示する。

塾は「サービス業」の側面も強いため、顧客満足度を高められるスキルは重宝されます。

マネジメント経験

店長やチームリーダーとして、部下やアルバイトを指導した経験があれば、それは「講師育成」に直結します。

 特に、アルバイトスタッフを採用・育成し、モチベーションの異なるスタッフたちをまとめ上げ、チームとして機能させる能力は、教室運営の肝と言えます。

講師経験は必須ではない

もちろん、講師経験があれば「授業の質」を見る目は養われています。

しかし、教室運営職や教室長のメイン業務は「授業をすること」ではなく「授業ができる環境を整えること」や「収益をあげること」です。

教務知識(受験情報や解法)は、入社後の研修で十分に習得可能です。

むしろ、経営者の視点で教室全体を客観的に見渡せることが、異業種からのキャリアチェンジにおいて大きな強みになります。

教室運営に向いている人・適性

では、具体的にどのようなタイプの人が教室運営に向いているのでしょうか? 

「教育への熱意」は大前提として、「教育者」であると同時に「経営者」として活躍できる、具体的な適性をリストアップしました。

マネジメント志向の人

  • 「自分がプレイヤーとして動くより、チームで成果を出したい」
  • 「人の成長をサポートすることに喜びを感じる」

このように考える人は、教室運営職に非常に向いています。

なぜなら、自分一人の力で教える生徒数には限界がありますが、教室運営職や教室長として優秀な講師を育成すれば、その影響力は何倍にも拡大し、より多くの生徒に質の高い教育を届けることができるからです。

人の成長を支援することに喜びを感じる人にとって、最高のポジションでしょう。

結果にコミットできる人

教室運営では、最終的な「結果(売上・生徒数・合格実績)」に対して責任を負う姿勢が何よりも重要です。

「頑張った」というプロセスだけでなく、目標の数字を達成するために粘り強く行動し続けられる実行力が評価されます。

教育というデリケートなサービスを扱いながらも、ビジネスとしての厳しさと成果への意識を持てるバランス感覚が不可欠です。

コミュニケーションが得意な人

教室運営職は、様々な立場の相手とのコミュニケーションが欠かせません。

  • 小学生から高校生までの生徒
  • 不安を抱える保護者
  • 現役大学生のアルバイト講師
  • 本部のエリアマネージャー

年齢も立場も異なる相手に対し、それぞれに合わせたコミュニケーションが取れる「調整力」や「対人感受性」が高い人は、ストレスなく活躍できるでしょう。

気になる年収とキャリアパス

最後に、現実的な待遇面についても触れておきます。

役職年収目安    役割
教室運営職・教室長候補(一般)350万~450万円転職後すぐにOJTを受けながら副教室長として勤務する場合もあります
教室長・校舎長450万~650万円1拠点教室の運営責任者
エリアマネージャー600万~800万円複数教室(5~10校)を統括・指導

年功序列型でなく成果主義の会社の場合は、異業界からの転職でも、数年でエリアマネージャーに抜擢され、年収が大幅にアップするケースも珍しくありません。

また、教室長経験は、教育業界内はもちろん、キャリアチェンジや独立といった将来の選択肢を大きく広げるための強力な武器となるでしょう。

まとめ:自分のスキルを活かし、次のキャリアへ

教室運営(教室長)の仕事は、単なる「講師の延長」ではありません。 

「教育」×「経営」×「人材育成」という3つの要素を同時に経験できる、非常に市場価値の高い職種です。

  • 営業や販売で培った数値を追う力を、子どもたちの未来のために使いたい
  • アパレルや飲食業界で培った店舗運営経験を教育業界で活かしたい
  • 将来のためにマネジメントスキルを身につけたい

もし少しでもこのように感じているなら、教室運営はあなたにとって挑戦しがいのあるフィールドになるはずです。

「自分にはどのタイプの塾が合っているのか?」「未経験でも本当に大丈夫か?といった不安がある方は、まずは業界に詳しい専門のエージェントに相談してみてはいかがでしょうか

無料のオンライン面談を通して、あなたの今後のキャリアの選択肢や今後の働き方が明らかになるでしょう。

この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中

教育転職ドットコム 田中

代表取締役

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教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。

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