塾講師は何歳まで活躍できる?教育業界に特化した転職エージェントが市場も踏まえて徹底解説!

この記事の監修者

教育転職ドットコム 吉田
キャリアアドバイザー
詳しく見る新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。教育領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後学習塾を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わり、2022年株式会社コトブックへ参画。
塾講師は60代以降も活躍可能

塾講師は、若手の仕事だと思っていませんか?
総務省の労働力調査によると、2023年の教育業界における全労働者のうち、10%以上が65歳以上のシニア層で、10年前と比較すると増加傾向にあります。
実は年齢を重ねるごとに培われる知識や経験が強みとなり、60代以降も、その豊かな人生経験と深い教養で、生徒たちの学びを深くサポートできる存在として活躍の場が広がっています。
出典:総務省「労働力調査」Ⅱ高齢者の就業
https://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topi142_02.pdf
60代以降も歓迎される求人はある
60代以降の塾講師を歓迎する求人は数は多くはありませんが存在します。特に個別指導塾では、生徒一人ひとりに寄り添った指導が求められるため、豊富な人生経験や落ち着いた対応力を持つシニア層が重宝される傾向にあります。
学習塾によっては「60歳以上歓迎」「定年なし」を明記している塾もあります。試しに、「塾講師 シニア歓迎」などのキーワードで検索してみていただくとよいでしょう。
経験や人間力が評価される
経験や人間力は、塾講師として非常に高く評価されます。単に教科知識があるだけでなく、生徒の心に寄り添い、成長を促す上で、人としての魅力は大きな強みとなります。
例として、以下に塾講師として活きる経験・人間力を見てみましょう。
・幅広い知識や教養
教科書の内容に止まらず、社会の仕組みや働くことの面白さ、人生の多様な選択肢など、教科の枠を超えた気づきを生徒に与えることができます。生徒の「学ぶ目的」を共に考えることで、モチベーションの向上につながります。
・傾聴力と共感力
生徒の悩みや不安に耳を傾け、共感する力は、生徒が安心して学べる環境を提供します。これまでの人生経験を活かして学習面だけでなく、学校生活や友人関係など、様々な側面から生徒を理解し、適切なサポートを行うことが重要です。
・生徒以外とのコミュニケーション能力
生徒だけでなく、保護者や同僚講師との円滑なコミュニケーションも、人間力の重要な側面です。保護者との連携を密にすることで、生徒の学習状況や課題を共有し、より効果的なサポート体制を築くことができます。
年代別|塾講師に求められる経験や素養
塾講師に求められる資質は、どの年代でも共通する「コミュニケーション能力」「指導力」などの一方で年代によって変化する素養もあります。
では20代から50代にかけて、どのような変化が生まれるのでしょうか。
20代の塾講師|年齢が近い親近感で生徒に人気の先生
20代の塾講師は、生徒との年齢が近く、共感しやすいのが最大の強みです。つい最近まで受験生だった経験や、学校生活への理解は、生徒との信頼関係を深め、悩みに寄り添うことを可能にします。また、若さからくる明るさと情熱は、授業に活気をもたらし、生徒の学習意欲を引き出します。生徒が少しでも成長したらしっかりと褒め、共に喜ぶことで生徒の自己肯定感を高めることができます。学習面だけでなく精神的な成長もサポートできるでしょう。
実際の塾講師の求人でも、20代の場合「生徒に寄り添った経験」や「意欲」が評価され内定に結びつくことが多いです。
もしあなたが20代の塾講師でもっと自分に合う塾をお探しなら、教育業界に特化した転職支援を行っている「教育転職ドットコム」にぜひご相談ください!
30代の塾講師|教室長などの管理職経験。親視点での柔軟な対応力
30代の塾講師は、これまでの指導経験に加え、管理職経験や保護者視点での柔軟な対応力を強みとします。この年代は、塾の中核を担う存在と言えます。
全体を俯瞰する力
教室長などの管理職を任される塾講師は、個々の生徒指導を超えた教室運営全体の視点を持つことが求められます。具体的には、以下のような力があると良いです。
- 戦略的な指導計画を立てられる。
- 後輩講師の育成やマネジメントができる。
- 教室で発生する様々な問題を解決する能力がある。
親視点での柔軟な対応力と共感力
30代になると、自身も子育てを経験するなど、保護者の視点を理解する機会が増えます。この視点は、保護者とのコミュニケーションにおいて非常に重要な強みとなります。
- 保護者の不安に寄り添い、共感できる。
- 具体的な解決策を提示し、安心感を与えられる。
- 多様な家庭環境に配慮した対応ができる。
30代の塾講師は、指導力に加え、管理能力と保護者対応力を兼ね備えることで、塾の運営において不可欠な存在となり、生徒だけでなく保護者からも信頼される講師としての活躍が期待されます。
30代の塾講師の転職の場合、具体的な指導実績の数値面や管理職経験があると強みになります。どのように履歴書・職務経歴書を書いたら良いか分からないという方はぜひ「教育転職ドットコム」にご相談ください。
40代の塾講師|教室長やエリア長として複数校舎の管轄
40代の塾講師は、これまでの豊富な経験と実績を基に、教室長やエリア長として複数校舎の管轄を任されるなど、塾運営の要となる存在です。単一の教室に留まらず、より広範な視点から教育の質と事業の成長に貢献することが求められます。
経営視点とリーダーシップ
教室長やエリア長として複数校舎を管轄する経験は、単なる指導者から一歩進んだ経営者視点とリーダーシップが重要です。
- 広域での戦略的思考:各校舎の特性や地域ごとのニーズを理解し、生徒募集戦略、カリキュラムの最適化、人材配置など、広範な視点から戦略を立案・実行します。
- 組織マネジメント能力:複数の教室長や多くの講師陣を統括し、それぞれのパフォーマンスを最大化するためのマネジメントスキルが求められます。
50代の塾講師|人間力で様々なマネジメント
50代の塾講師は、これまでの長きにわたる経験で培われた人間力を最大限に発揮し、教育現場における様々なマネジメントを円滑に進めることが求められます。指導者としての深みに加え、組織全体の調和と成長を促す存在としての期待をされる年代です。
保護者との強固な信頼関係構築 | 保護者の期待や不安を敏感に察知し、的確な情報提供と丁寧な対話を通じて、強固な信頼関係を築き上げる |
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若手講師の育成 | 若手講師の指導法や生徒との向き合い方について具体的なアドバイスを与え、彼らの成長を力強く後押し |
円満な問題解決能力 | 組織内で意見の対立や問題が発生した際に、経験と客観的な視点から冷静に対応し、円満な解決へと導く |
年齢を重ねた際の塾講師就職・転職の注意点
年齢を重ねてから塾講師への就職や転職を考える際、若い世代とは異なる注意点があります。
正社員で探すと求人が少なくなってしまう可能性
年齢を重ねてから塾講師を目指す際、正社員の求人は減少する傾向にあります。これは教育業界に限った話ではありません。労働市場全体でシニア層の正規雇用率は低く、7割以上がパートや契約社員として働いています。
特に、未経験からの正社員採用はハードルが高くなる可能性があります。これは、塾側が長期的なキャリア形成や若手育成を考慮するため、あるいはシニア層の正社員採用には、人件費やマネジメント面での考慮が必要となるためです。塾では、シニア層に対しては、柔軟な働き方が可能なアルバイトやパート、あるいは専門性の高い「プロ講師」としての採用を検討するケースが多いです。
夕方以降勤務に対応できる必要あり
多くの塾では、生徒が学校を終えてから来るため、平日夕方(例:16時~22時頃)や土日が主な勤務時間となります。年齢を重ねると、ライフスタイルや体力的な側面から、この時間帯の勤務が難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、塾側としては、最も生徒の需要が高い時間帯に指導できる講師を求めています。
求人に応募する際は、ご自身のライフスタイルと塾の求める勤務時間帯が合致しているかの確認が重要です。
もし、夕方以降の勤務が難しい場合は、午前中に開講している一部の補習塾や、社会人向けの講座を検討するなど、希望と合う働き方を模索する必要があります。
無理なく長期的に働ける環境を見つけるためにも、自分の希望する働き方を明確にした上で、面接等で事前にしっかりと働き方の詳細を確認する必要があります。
教育転職ドットコムは、教育業界に特化した求人を多数取り揃えています。
塾に限らず広く教育業界で、あなたに合った働き方ができる塾を探すサポートをしてます。
塾業界の転職に悩んだらぜひ、教育転職ドットコムにご相談ください。
年齢を重ねるほど経験や実績が求められる傾向がある
年齢を重ねて塾講師への転職・就職を考える場合、特に正社員のポジションでは、意欲だけでなく、具体的な経験や実績がより強く求められる傾向があります。これは、塾側が即戦力となる人材や、若手講師を指導・育成できるベテランを求めているためです。
実際にどのような経験・実績が求められるのでしょうか。
- 指導実績:過去に指導した生徒の成績向上事例や、志望校合格実績
- 専門性:特定の科目や受験形式(例:医学部受験、AO入試対策など)における指導経験
- 生徒・保護者対応経験:難易度の高い生徒や保護者とのコミュニケーションを円滑に進めた経験
- 教室運営・マネジメント経験:管理職として生徒募集、講師育成、売上管理などに関わった経験
これらの経験や実績は、職務経歴だけでなく、面接や履歴書でいかに具体的にアピールできるかが重要になります。
年齢を重ねても塾講師の就職・転職を成功させるポイント
塾講師への転職で評価されるのは指導力だけではありません。最新の受験事情のキャッチアップをはじめとする学び続ける姿勢や、教育への思いも採用の際に見られるポイントとなります。以下に、塾講師への転職成功に向けたポイントをまとめました。
最新の受験事情をキャッチアップする
年齢を重ねて塾講師として活躍するためには、常に最新の受験事情をキャッチアップし続ける姿勢が不可欠です。受験制度や出題傾向は常に変化しており、これに対応できるかどうかが、講師としての価値を左右します。
参考に、近年の大学入試制度の主な変化をいくつか見てみましょう。
- 大学入学共通テストの「情報Ⅰ」新設と数学の傾向変化
2025年度入試からは、共通テストに「情報Ⅰ」が新設され、受験生は原則としてこの科目を必須で受験することになります。これは単に新しい科目を教えるだけでなく、既存の数学科目でも、実社会との関連性を意識したデータ分析や情報活用を問う問題が増加する可能性があります。 - 総合型選抜の対策: 探究学習の成果を問うポートフォリオ指導
従来の一般選抜とは異なり、推薦型・総合型選抜では、高校での探究活動や部活動、ボランティア活動などの成果をまとめたポートフォリオの提出が求められるケースが増えています。塾講師は、生徒がどのようなテーマで探究を行い、そこから何を学び、どのように成長したのかを効果的に表現するサポートが必要です。
このような変化に対応するためにも、これまでの経験だけに頼るのではなく、常に新しい知識を取り入れ、変化に対応していく学習意欲と柔軟性が不可欠です。生徒の目標達成をサポートするためにも、最新の受験事情へのアンテナを高く持ちましょう。
生徒に柔軟に対応するマインドを忘れない
塾講師として長く活躍するには、生徒一人ひとりに合わせて柔軟に対応するマインドが不可欠です。生徒の個性、学習ペース、理解度は様々。ある生徒には基礎から丁寧に、別の生徒には応用を交えるなど、最適なアプローチは異なります。
また、生徒の体調や家庭環境の変化にも配慮し、学習計画を柔軟に修正することも大切です。画一的な指導に固執せず、常に「目の前の生徒にとっての最適解は何か」を探求し続けることで、生徒の成長を最大限に引き出せるでしょう。
転職エージェントに相談する
個人の情報収集だけでは、なかなか塾のニーズや転職市場が掴めないと悩んでいる場合は、転職エージェントへの相談は非常に有効な手段です。
転職エージェントを活用するメリット
転職エージェントを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
非公開求人の紹介 | ・多くの転職エージェントは、「非公開求人」を多数保有 ・経験やスキルに合った、より良いポジションが見つかる可能性 |
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効率的な転職活動 | ・エージェントが希望やスキルに合う求人を選定 ・応募書類の添削や面接対策などもサポート |
業界情報の提供 | ・業界のトレンド、社風や採用基準、給与水準など、個人では得にくい詳細な情報を提供 |
交渉代行 | ・給与や待遇面での交渉をエージェントが代行 ・自分では言いにくい条件交渉も、プロに任せることでスムーズに進められる |
特に、教育業界に特化したエージェントであれば、良質な非公開求人の紹介や、あなたの経験に合わせた的確なアドバイスを受けられます。教育転職ドットコムでは、塾講師の求人を豊富に取り扱っており、専門のキャリアアドバイザーがあなたの希望に沿った転職を徹底的にサポートしてくれるため、効率的で質の高い転職活動を実現できる可能性が高まります。
まとめ 塾講師経験は無駄にならない
塾講師として、過去働いた経験は再雇用や転職においても非常に役に立ちます。塾講師としての即戦力はもちろん、経験者ならではの視点を活かすことで、年を重ねても現場で活躍することが可能です。
もし、今の職場に満足できていない場合や、新しいキャリアを模索したいという思いがあるならば、できるだけ早いタイミングで最初の一歩を踏み出すことで、可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者

教育転職ドットコム 吉田
キャリアアドバイザー
詳しく見る新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。教育領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後学習塾を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わり、2022年株式会社コトブックへ参画。