塾の種類を徹底解説!自分に合う働き方と転職先の選び方

この記事の監修者
教育転職ドットコム 吉田
キャリアアドバイザー
詳しく見る新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。教育領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後学習塾を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わり、2022年株式会社コトブックへ参画。
塾業界への転職を考えていると、
「どの職種が自分に向いているかわからない」「どういう観点で自分に合った企業を選べばいいのか?」
と悩むことがありませんか?
「塾」と言っても、その実態は多種多様です。
「塾の種類」を正しく理解することは、あなたが最も輝ける場所を見つけるための第一歩になります。
この記事では、塾業界へのキャリアチェンジを検討している方にむけて、塾の種類とそれぞれの働き方のリアルを徹底解説します。
働き方が激変する!指導形態による塾の種類

塾選びでまず注目すべきは「指導形態」です。
指導形態の違いによって、一日のスケジュールや業務の負担、求められるスキルが大きく変わります。
授業スキルを磨く「集団指導塾」
集団塾では講師と運営職が分業されていることが多く、講師は基本的に10〜30人ほどのクラスを受け持って、カリキュラムにそって授業を進めていきます。
企業の方針によって変わりますが、各単元ごとに教え方や板書の内容が厳密に決められている塾もあれば、授業方法や細かい部分は講師自ら決めていく塾もあります。後者の場合、クラス内の理解度や進度の差を踏まえて授業を作成していく必要があります。
【集団塾の講師に向いている人の特徴】
- 授業設計力がある人
- 広範囲に目を配ることができる人
- 臨機応変な対応ができる人
- 生徒たちの目を惹きつけられる人(表現力がある人)
ただし、上記のスキルは塾講師をしていく中で徐々に身に付けていくものです。
集団塾は個別対応への難しさ、生徒間のレベル差調整、トラブル対応の大変さなどがありますが、多くの生徒を相手に指導する分やりがいも大きい仕事です。
生徒に深く寄り添う「個別指導塾」
個別指導塾では、生徒に1対1または1対2で指導を行います。
ただし、正社員が授業を担当するとは限らず、多くの塾では、実際の指導はアルバイト講師が担い、正社員は教室長や教室マネジメント職として、教室全体のマネジメントを行っています。
個別指導塾では、「わが子に合わせたきめ細かい対応」を期待する保護者が多いのが特徴です。そのため、生徒一人ひとりの学習進捗や成績の変化を把握し、志望校に向けた個別の学習プランや進路指導を行う必要があります。
さらに重要なのが、アルバイト講師の育成とマネジメントです。各生徒に最適な指導が行われるよう、講師の指導力向上やモチベーション管理も担います。
その意味で、個別指導塾の教室運営は「先生」というよりも、どちらかといえば経営者・マネージャーに近いポジションといえるでしょう。
【個別指導塾の教室運営に向いている人の特徴】
- 信頼関係の構築ができる人(生徒、保護者)
- 個別に学習プランを設計できる人
- 数字管理が得意な人
- アルバイト講師のマネジメントができる人
個別指導塾の正社員は、目の前の生徒だけでなく、教室全体を見渡す“運営責任者”。
教育への想いと、マネジメント視点の両方を持てる人に向いている仕事です。
効率とDXを両立「映像指導塾」
映像指導塾では、あらかじめ収録された授業動画を活用して学習を進めます。
生徒はタブレットやパソコンで映像授業を視聴し、理解度に応じて何度も見直したり、倍速で視聴したり、先取り学習をしたりすることが可能です。代表的なスタイルとしては、大手予備校講師の授業を配信するモデルや、自社で制作したオリジナル映像を活用するモデルなどがあります。
教室には教室長やアルバイトのチューターが常駐し、生徒の学習進捗管理や質問対応、モチベーション管理、面談対応などを担当します。
授業そのものを「教える」役割よりも、学習全体を設計・管理する役割が中心となります。
【映像指導塾に向いている人の特徴】
- 学習管理・進捗管理が得意な人
- データ分析や数値管理が好きな人
- 生徒のモチベーションを引き出すのが得意な人
- 仕組みづくりや改善に興味がある人
- ITツールやDX活用に抵抗がない人
映像指導塾の正社員は、「授業者」というよりも、学習コーチ・学習プロデューサーのような存在です。
生徒一人ひとりの目標達成までのロードマップを描き、データをもとに最適な学習環境を整える――教育×テクノロジーの最前線で、効率と成果の両立を目指すスタイルの塾といえるでしょう。
目的別で比較!仕事内容と求められる資質
次に、「その塾が何を目的としているか」で分類してみましょう。
ここを間違えると、入社後「自分が目指していた教育方針と違う」というミスマッチに繋がります。
合格実績を追求する「進学塾」
難関校への合格を第一目標とする塾です。中学受験・高校受験・大学受験など、明確な入試突破をゴールに掲げ、ハイレベルな学力養成を行います。
進学塾では、入試問題の傾向分析や過去問研究に基づいたカリキュラムが組まれており、スピード感のある授業進行や高い到達基準が求められます。
クラス分けテストや定期的な模試を通して、成績でクラスが上下する仕組みを採用している塾も多く、「結果」で評価される文化が根付いているのも特徴です。
また、保護者の期待値も高く、志望校合格に向けた具体的な戦略立案や学習管理、精神面のサポートまで求められます。
そのため、講師・運営ともに高い専門性と責任感が必要になります。
【進学塾に向いている人の特徴】
- 教科指導力に自信がある人
- 競争環境の中でも成果を出すことにやりがいを感じる人
- 目標達成に向けて戦略的に物事を考えられる人
- プレッシャーの中でも冷静に対応できる人
- 数字や合格実績に対して前向きに向き合える人
学習習慣を作る「補習塾・学習塾」
学校の授業内容の理解・定着を目的とする塾です。
難関校合格を目指す進学塾とは異なり、「まずは学校の成績を上げること」「学習習慣を身につけること」を重視します。
対象となる生徒の学力層は幅広く、基礎のつまずき直しから、定期テスト対策、内申点向上までをサポートします。授業内容は学校の進度に合わせることが多く、「わからないをそのままにしない」丁寧な指導が求められます。
また、補習塾では地域密着型の運営が多く、保護者との距離が近いのも特徴です。学力向上だけでなく、生活態度や家庭学習の様子まで含めたサポートが求められることもあります。
そのため、「教える力」だけでなく、生徒のやる気を引き出し、継続を支える力が重要になります。
【補習塾・学習塾に向いている人の特徴】
- 基礎から丁寧に教えることが得意な人
- 生徒の小さな成長を喜べる人
- 粘り強く伴走できる人
- 保護者とこまめにコミュニケーションが取れる人
- 地域とのつながりを大切にできる人
特定のニーズに応える「専門塾」
専門塾とは、特定の教科や目的に特化した塾のことを指します。
たとえば、
- 英語専門塾
- 理数専門塾
- 中学受験専門塾
- 医学部受験専門塾
- 総合型選抜(旧AO)対策塾
- 小論文・面接対策塾
など、明確なターゲットや目的を掲げているのが特徴です。一般的な学習塾よりも、扱う分野の深さや専門性が求められます。
最新の入試情報や出題傾向の研究、指導ノウハウの蓄積など、“その分野で結果を出すための知見”が強みになります。
また、保護者や生徒の期待値も非常に具体的です。「英検○級に合格したい」「医学部に進学したい」「総合型選抜で合格したい」など、ゴールが明確だからこそ、成果への責任も大きくなります。
一方で、専門領域に集中できるため、特定分野を極めたい人にとってはやりがいの大きい環境です。
【専門塾に向いている人の特徴】
- 特定教科・分野に強い興味や専門性がある人
- 常に情報収集や研究を続けられる人
- 高い目標を掲げる生徒と本気で向き合える人
- 成果責任を前向きに受け止められる人
- 自分自身も成長し続けたい人
失敗しない塾選び!市場データと将来性の真実
「塾業界は少子化で先がないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、実態は「量から質への転換」が進んでおり、市場全体は堅調です。
学習塾市場全体の売上規模は、長期的に見ると「横ばい〜微増」で推移しています。
コロナ禍直後の2020年は前年度比4.9%減と落ち込みましたが、オンライン授業やハイブリッド型指導をいち早く導入した企業は、翌年以降に回復。2021年にはコロナ前水準を上回りました。
出典:経済産業省 https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20240321hitokoto.html
つまり、
- 市場そのものが崩壊したわけではない
- 環境変化に対応できた塾は成長している
- 対応が遅れた塾が苦戦している
という構図です。

市場シェアが拡大する個別指導の強み
特に市場シェアを伸ばしているのが、個別指導塾です。背景にあるのは、
- 学力の個人差拡大
- 総合型選抜など多様化する入試制度
- 一人ひとりに合わせた学習ニーズの高まり
といった変化です。
「全員一律の指導」よりも、「一人ひとりに合わせた設計」を求める流れが強まっており、その結果として、個別対応を軸にした塾が市場シェアを広げています。
教育DXで進化するハイブリッド型塾
最近では、対面授業とAI教材を組み合わせた「ハイブリッド型」が増えています。
従来のように「教室で授業をする」だけではなく、
- 映像授業の活用
- AI教材による理解度分析
- オンライン面談
- データに基づく学習管理
- 保護者とのアプリ連携
など、テクノロジーを取り入れた運営が広がっています。
例えば大手教育サービス会社「トライグループ」は、オンライン家庭教師の導入やAIを活用した個別最適化指導など、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進し、学習の質と効率を高めています。大学入試改革への対応や、特定ニーズへのきめ細やかなサポートも特徴です。高品質な指導を支える人材育成と、長年の実績で培ったブランド力も強みとなります。
このような特徴に当てはまる大手学習塾は、変化を捉え、テクノロジーと多様なサービスで進化し続ける成功モデルと言えるでしょう。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC092C20Z01C21A0000000
働き方改革が進む大手塾の最新動向
「塾はブラック」というイメージは過去のものになりつつあります。
特に大手塾では、完全週休2日制、リフレッシュ休暇、深夜業務の禁止などが導入されていることもあります。
実際に、長時間労働に苦しんでいた塾講師が、教育転職ドットコムを活用した転職でワークライフバランスを取り戻した成功事例をご紹介します。
| Aさんのプロフィール 最終学歴: 大卒 転職時の年齢: 25歳 前職: 集団塾の講師(地域密着型小規模塾) 転職後: 大手塾(上場企業) |
転職の経緯
地域密着型の小規模塾で英語と国語の講師をしていたAさん。授業が終わってから事務作業や次の日の授業準備をするため、毎日終電帰りでした。
さらに、「自己研究は自分でやるもの」「成長したいなら自分の時間を削って当然」といった雰囲気や上からの圧力もあり、休日も教科研究に追われる日々。
もちろん休日出勤として扱われることもなく、働いた時間はカウントされませんでした。
「このままでは体力が持たない」と感じたAさんは、より労働環境が改善された塾への転職を決意しました。
転職成功のポイント
Aさんが転職したのは、労働時間管理が徹底されている大手学習塾でした。この塾では、働き方を守るための仕組みがしっかり整っています。
- 夜の残業は原則禁止。13時より前に出社すれば必ず残業としてカウントされます。
- 22時になるとパソコンが自動シャットダウン。強制的に退勤せざるを得ない仕組みです。
- 有給は積極的に取得推奨。上司が管理し、消化できるようチームで調整しています。
- 業務量のチェック体制があり、無理があればすぐに分担を見直してくれます。
- 休日出勤はほぼゼロ。やむを得ず出た場合でも、必ず代休が取れるよう徹底されています。
結果
残業がほぼなくなったことで生活が劇的に変化しました。年収は前職とほぼ変わらなかったものの、時間的・精神的な余裕が大幅にアップ。趣味の時間や家族との時間も確保できるようになり、ワークライフバランスの取れた働き方を実現しました。
塾の種類に関するよくある質問QA
Q. 30代未経験からでも、自分に合う種類の塾へ転職できる?
A. 30代未経験でも十分可能です。
特に個別指導塾の教室マネジメント職は、異業界で培ったコミュニケーション能力、数値管理能力、店舗運営力、マネジメント力などを即戦力として評価する傾向があります。弊社では30代でホテル業界・アパレル業界・IT業界の営業職・フィットネス業界・人材業界などから個別指導塾の教室長候補として内定獲得した実績が多数あります。
Q. 塾の種類によって年収やボーナスに大きな差はある?
A. 塾の種類というよりも、「企業による差」が大きいのが実情です。
「集団塾だから高い」「個別指導だから低い」といった単純な構図はありません。実際の年収や賞与水準は、
・企業規模(大手/中小)
・業績の安定性
・地域でのシェア
・成果評価制度
・役職(講師職か運営職か)
といった要素によって大きく左右されます。大手企業は制度が整っており、賞与や昇給の仕組みが明確な傾向がありますが、地域密着型でも、独自の教育モデルや高いブランド力を持ち、堅調に成長している企業は、待遇面でも安定しているケースがあります。
Q. ホワイトな環境の塾を見分けるためのポイントは?
A.教育DX(映像授業や管理システム)の導入状況や徹底された労働時間管理の有無、教室長一人あたりの生徒数を確認してみましょう。
ホワイト企業という言葉を聞くと、「残業が少ない」「給料が高い」などの条件面がまず思い浮かびますが、本質的には“自分にとって働きやすいかどうか”が重要です。たとえば、人との関わりを重視する人にとってはチームワークの良さが大事ですし、裁量をもって働きたい人にとっては自由度の高さが魅力になります。つまり、画一的な「ホワイト」の定義ではなく、自分にとってのベストな環境を見つけることが何より大切なのです。ご自身が重視するのは何か、自己分析をし、口コミやエージェントを活用して企業の実態を調べましょう。
ホワイト企業の見極め方については、以下の記事で詳しく説明しています。

まとめ
「塾の種類」を知ることは、単なる用語の整理ではありません。それは、「あなたが自分らしく働ける場所」を見つけるための情報を手にすることです。
塾の種類が変われば、求められるスキルも、生徒との距離感も、そして「働き方の常識」も大きく変わります。
まずは選択肢を知ることから始めてみませんか?
この記事の監修者
教育転職ドットコム 吉田
キャリアアドバイザー
詳しく見る新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。教育領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後学習塾を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わり、2022年株式会社コトブックへ参画。