教育の副業は可能?未経験でも安全に始める方法

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教育転職ドットコム 田中

教育転職ドットコム 田中

代表取締役

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教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。

「今の仕事にもやりがいは感じるけど、もう少し収入を増やしたい」「教育経験を活かして、在宅で柔軟に働きたい」

近年、副業解禁の流れやEdTechの進化により、教育業界での副業は、収入アップと「誰かの成長に貢献できる」というやりがいを両立できる魅力的な選択肢となっています。

しかし、「どの程度の即戦力性が求められるのか」「報酬相場が分からない」といった不安を抱えている方も多いでしょう。

この記事では、教育業界の副業トレンドから、未経験でも安全に始められる具体的な仕事内容、トラブルを避けるための注意点まで、実用的な情報を徹底的に解説します。

この記事の目次

こんなお悩みありませんか?

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教育業界専門の
キャリアアドバイザーが担当

教育系の副業が注目される理由

今教育系の副業に注目が集まっている

教育系の副業は、単に収入を増やす手段ではありません。あなたのスキルや経験を活かし、社会に貢献できる点で、他の副業とは異なります。

では、なぜ今、教育業界の副業がこれほどの注目を集めているのでしょうか。

EdTech・在宅教育・個人指導市場の拡大

テクノロジーの進化とコロナ禍を経て、教育のあり方が大きく変化しました。

トレンド概要副業への影響
EdTech(教育×技術)の普及                 オンライン教材、学習管理システム(LMS)の利用増加。オンライン家庭教師や教材コンテンツ制作といった在宅・リモート案件が急増。
地理的な制約がなくなる。
個別指導ニーズの増加多様な学習ニーズ(不登校支援、発達障害、プログラミング教育など)への対応。特定の知識や経験(専門科目、受験ノウハウ、実務経験)を持つ人材への高単価な指導ニーズが高まる。
リカレント教育・社会人学習大人の学び直しやリスキリング(職業能力の再開発)への関心の高まり。自身のビジネス経験や専門知識を活かした研修講師・教育ライターといった仕事が生まれている。

特にEdTech市場は継続的に拡大傾向にあり、従来の教育経験に加え、ITスキルやライティングスキルなど異業種のスキルも活かしやすい環境が整っています。

副業解禁と社会的背景

厚生労働省や総務省は、働き方改革の一環として副業・兼業を積極的に後押しする方向性にあります。

テーマ内容
厚生労働省のモデル就業規則     原則、「副業・兼業を認める」方向に改定され、多くの企業がこれに追随する流れにある。
社会人のキャリアアップ志向収入の上積みだけでなく、「やりがい」や「スキルアップ」を目的に副業を始める人が増加している。
副業・兼業を希望する理由「収入を増やしたい」だけではなく「スキルや経験を活かしたい」「様々な分野の仕事に携わりたい」というニーズが増加。

この社会的後押しにより、「副業をしたいが本業の会社が心配」という心理的な障壁が下がりつつあります。

やりがいを感じるポイント

収入アップに加えて、教育の副業には「誰かの成長に貢献できる」という特別なやりがいがあります。

やりがいを感じるポイント  詳細
直接的な感謝の言葉生徒の成績向上や「わかった!」という瞬間に立ち会えます。
社会貢献の実感自分の指導・教材が、未来を担う子どもたちの可能性を広げることに繋がります。
自己成長自分のスキルや知識を改めて整理し、アウトプットすることで、自身の学びを深めることが可能です。

単調な作業ではなく、人との関わりの中で得られるモチベーションは、副業を選ぶ上で大きな魅力となるでしょう。

教育系の副業の主な種類と仕事内容

教育系の副業は、指導経験の有無や、確保できる時間帯、得意なスキルによって、さまざまな選択肢があります。
ここでは実際の案件から4つの事例を紹介します。

個別指導塾での塾講師

教育業界の副業の中でも始めやすく、人気の選択肢の1つです。

目の前の子どもたちの成長に貢献できているというやりがいを感じやすく、かつ経験を重ねれば報酬もあがりやすいというメリットがあります。

仕事内容の具体例個別指導塾での講師、指導内容検討、進路相談支援など
働き方と報酬の目安週1・2回程度月2万円〜
メリット・オンラインでのリモートOKの求人がある
・目の前の生徒の成長に貢献ができる
・夜や休日など好きな時間を選びやすい・経験があれば報酬があがる傾向
デメリット・教科知識を身につける必要がある
・指導前の準備などの時間を確保する必要がある

集団指導塾での塾講師

過去に教員や塾講師を経験された方、教員免許を持っている方、塾でのアルバイト経験がある方など、少しでも教育に携わった経験がある方にとっては、スキルを最大限に活かせる仕事です。

仕事内容の具体例10〜30人に授業を行う(文系/理系いずれか)
働き方と報酬の目安  週1回程度月4万円〜
メリット・オンラインでのリモートOKの求人がある
・目の前の生徒の成長に貢献ができる
・経験があれば報酬があがる傾向
デメリット・授業準備の時間の確保が必要
・本業に影響がでないよう、夏期講習、冬期講習シーズンや受験前などの繁忙期でもシフトの相談ができるか要確認

教育系メディアの記事制作支援

教育業界での経験がある方には、業界知識を活かせる副業として、教育関連メディアでの記事コンテンツ制作があります。

受験対策や学習法、教育現場のリアルな情報を発信する仕事で、特に教育現場での経験がある方や、生徒指導のノウハウを持っている方に向いています。

仕事内容の具体例教育メディアなどでのコンテンツの執筆、eラーニング教材の構成
働き方と報酬の目安週に2〜3時間程度時給1000〜2000円(文字単価制度の場合もあり)
メリット・専門知識やビジネススキルを転用できる。
・未経験でも副業を通してライティングやSEOなどの知識を獲得することができる
・完全在宅で自分のペースで作業可能。
デメリット・Webメディアは校閲・編集が厳しく、品質が基準に満たないと次の依頼が来ないことも多い。
・リサーチに時間がかかる・ライティング未経験の場合文字単価が低い案件も多い

塾やフリースクールのSNS・LINE広報アカウント運用サポート

SNS運用経験者やマーケティング経験者におすすめなのが、塾やフリースクールの広報サポートの副業です。

仕事内容の具体例InstagramやLINEを使った投稿作成・運用方針の提案
働き方と報酬の目安週に1日程度月3万円〜
メリット・専門知識やビジネススキルを転用できる。
・リモートOKの案件が多く、完全在宅で自分のペースで作業可能。
・長期での改善が前提のため継続案件につながりやすい
デメリット・成果が求められるプレッシャーがある。
・教育業界特有の炎上リスクやコンプラ配慮が必要。
・リサーチや分析に時間がかかる。
・成果と時給感のバランスが悪いケースもある。

安全に始めるための準備と注意点

副業を成功させるためには、収入ややりがいだけでなく、安全かつ継続可能な環境を整えることが最も重要です。

特に本業との両立や労働時間に関するルールは、トラブルを避けるために必ず確認しましょう。

1. 就業規則と副業届の確認

副業を始める前に、必ず本業の就業規則を確認しましょう。

カテゴリ項目詳細
就業規則の確認事項 原則確認副業・兼業を許可制としているか、届出が必要かを確認する。
副業が制限されるケース   1. 労務提供上の支障   長時間労働などで本業の業務に影響が出る場合(健康面を含む)。
2. 企業秘密の漏洩本業で知り得た機密情報が副業で使われるなど、情報漏洩のリスクがある場合。
3. 競業による利益阻害本業の競合他社で働くなど、企業の利益を直接的に害する場合。

規則で認められている場合は、必要に応じて事前に副業届を提出しましょう。これにより、本業とのトラブルを未然に防ぎ、安心して副業に取り組めます。

2. 労働時間通算と健康管理

本業と副業で雇用契約を結んでいる場合、労働基準法に基づき労働時間は通算されます。

労働時間通算の基本ルール
原則: 労働時間は、1週間に40時間、1日8時間を超えてはならない(法定労働時間)。
通算: 本業と副業の労働時間の合計がこの法定労働時間を超えると、超えた部分が時間外労働となり、割増賃金の支払い義務が発生します。

長時間労働は健康を害し、本業にも支障をきたすため、ご自身でしっかり管理する必要があります。

項目詳細
セルフチェック週の総労働時間を記録し、無理のない範囲で副業のスケジュールを組む。
本業とのコミュニケーション   健康確保のため、副業の業務量や健康状態を本業の会社に報告することも有効である(厚生労働省推奨)。

3. トラブル回避のポイント

安全に副業を続けるために、以下の点に注意して契約を進めましょう。

注意点詳細
契約書・業務委託書  報酬額、支払日、業務内容、契約期間が明確に記載されているかを必ず確認。口頭の約束はトラブルの元です。
守秘義務・著作権副業で得た情報(生徒情報、教材内容など)を本業で使わない、その逆もないよう情報の取り扱いに細心の注意を払う。
報酬支払方式の確認時給制か、業務単価制か、月給制かを事前に明確にし、不明点があれば契約前に解消する。
確定申告副業での所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。税金について事前に調べておきましょう。

4. 厚労省ガイドライン要約

副業・兼業について、厚生労働省は以下の考え方を示しています。

【厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の要点】

項目要点
原則原則自由。労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的に自由であり、企業は原則として副業・兼業を認める方向で検討することが適当である。
企業側の制限事由    例外的に副業を禁止・制限できるのは、「労務提供上の支障」「秘密漏洩」「競業」「企業の名誉・信用を損なう行為」がある場合に限られる。
労働者側の責任労働者は、副業による過労で健康を害したり、本業に支障をきたしたりしないよう、自ら業務量や健康状態を管理する必要がある。

国の推奨するガイドラインを理解しておくことで、企業側とのコミュニケーションも円滑に進められるでしょう。

(出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000996750.pdf)

教育副業で収入を得るコツ

せっかく副業を始めるなら、効率よく、納得のいく収入を得たいものです。ここでは、収入を最大化するための実用的なコツを紹介します。

報酬相場と月収シミュレーション

副業では時給制の案件だけでなく、稼働時間の見えづらい業務ではプロジェクト単位の報酬が設定されることも多くあります。

(例)

  • 塾やフリースクールのSNS・LINE広報サポート(月3万円〜)
  • 学校法人の経営ダッシュボード作成(月30万円〜)
  • 学校法人の組織開発支援(月20万円〜)

プロジェクト制は難易度や求められる経験、工数によって報酬が大きく変わるため、契約前に「この案件はどれくらいの時間がかかりそうか」をある程度見積もり、時給換算して納得できる報酬かどうかを確認することが重要です。

また、時給制の場合も、先方がどれくらい働いてほしいのか、自分が本業に支障なく稼働できる時間はどれくらいかを事前にすり合わせ、月収の目安を把握しておきましょう。

まずは無理のない範囲からスタートし、慣れてきたら徐々に稼働時間を増やしていくのがおすすめです。

スキルアップで単価を上げる方法

教育系の副業は、経験やスキルによって単価が上がりやすいのが特徴です。

項目詳細
専門性の強化本業での経験、特定の資格などをアピールし、専門分野に特化することで高単価案件を獲得できる。
レビュー・実績の蓄積    副業で得た経験や成果は、そのまま次の仕事へつながる「実績」として活用でき、より高単価の案件や新しい領域への挑戦につながる。

在宅・夜間の時間活用術

副業初心者の方におすすめの「無理のない」稼働モデルを紹介します。

稼働モデル特徴向いている副業
平日夜間集中型1日2時間を週2〜3回、帰宅後の20時〜22時に設定。個別指導塾のオンライン塾講師
週末午前集中型土曜か日曜の午前に3〜4時間まとめて稼働。集団指導塾の塾講師、個別指導塾の塾講師
スキマ時間活用型 毎日30分〜1時間、移動時間や休憩時間を活用。記事ライティングなど

「週に4〜6時間」の稼働から始めれば、本業に支障をきたさずに、副業のメリットを享受しやすいでしょう。

副業を本業に活かす発想

教育系の副業で得た経験は、たとえ本業がまったく別の業界であっても、仕事全体のスキルアップにつながる“実践的な学び”になります。

項目詳細
市場ニーズの把握教育サービスのニーズやトレンドに触れることで、マーケティング的な視点や顧客理解が深まり、本業の企画力や提案力にも応用できる。
多様な人脈副業先での新しい教育関係者やビジネスパーソンとの出会いが、視野を広げるきっかけになる。
新しいスキル習得の機会    教育業界での副業で得たスキルが本業での業務改善やキャリアチェンジのきっかけになることも。

まとめ:教育副業でキャリアを広げよう

教育業界での副業は、「収入の上積み」と「やりがい」を両立させ、あなたのキャリアを豊かにする最適な選択肢の一つです。特に近年は、オンライン化と副業解禁の流れが追い風となり、在宅で、柔軟に、高単価な仕事を選びやすくなっています。

「副業は不安」という気持ちもあるかもしれませんが、大切なのは「安全に」「低リスクで」始めることです。

まずは無料の求人情報をチェックし、どんな案件があるのか、報酬相場はどうかといった情報収集から始めるのが第一歩です。

あなたの持つ教育の情熱と経験を、ぜひ副業という形で社会に還元し、新しいキャリアを切り開いていきましょう。

この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中

教育転職ドットコム 田中

代表取締役

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教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。

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