「教員からの転職は良かった！」後悔しない転職のために参考にできる体験談も
この記事の監修者
教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。
元教員のリアルな声をご紹介
この記事をお読みのあなたは、教員という仕事に誇りを持ちながらも、心身ともに限界を感じ、ご自身のキャリアについて深く悩んでいるのではないでしょうか？
とはいえ、 「教員以外の仕事が務まるだろうか？」 「転職して後悔しないだろうか？」 …
その不安、痛いほどよく分かります。
しかし、勇気を出して新たな一歩を踏み出し、新しい環境で活躍している元教員は数多く存在します。
この記事では、彼らのリアルな「体験談」から見えてきた、「転職して良かった」と心から思える理由、そして逆に「後悔した人」の共通点を徹底的に分析。
その上で、あなたが「最高の選択だった」と実感できる転職を叶えるための、具体的な成功ステップを解説します。
教員から転職して良かった！4つのポジティブな変化
では実際に、転職を経験した元教員が「良かった」と感じるのはどのような点でしょうか。
ここでは、比較的多くの人が挙げる4つの前向きな変化を紹介します。
(1)ワークライフバランスの劇的な改善
多くの元教員が最初に感じるのが、生活リズムの整いやすさです。
教員時代には「当たり前」と思っていた勤務形態が、実は負担になっていたと気づく人も少なくありません。
- カレンダー通りの休日：
- 土日祝日は休みとなり、部活動や学校行事での休日出勤が減ります。
- 「定時」という概念：
- 企業では業務時間が明確に区切られており、残業の有無も管理されています。
- 有給休暇の自由な取得：
- 年度計画に合わせて、安心して休暇を取ることができます。
- 「持ち帰り仕事」からの解放：
- 授業準備や採点などを自宅で行う必要がなく、オフの時間を確保しやすくなります。
文部科学省「令和4年度 教員勤務実態調査」によると、多くの教員が依然として上限時間を超えて勤務している状況が報告されています。
【中学校教員の1日の在校等時間及び 持ち帰り時間の計】
- 平日: 11時間33分（1日あたり）
- 土日: 3時間07分（1日あたり）
この結果からも、教員の働き方は個人の工夫だけでは改善が難しい場合があることがわかります。
環境を変えることで、仕事と生活のバランスを取り戻しやすくなる人も多いようです。
(2)風通しの良い人間関係
学校という独特な職場から、一般企業などの多様な組織に移ることで、
人間関係のストレスが減ったと感じる人は少なくありません。
- フラットなコミュニケーション：
- 企業では年齢や立場を問わず意見を交わす文化があり、心理的な距離感が取りやすくなります。
- チームで支える仕組み：
- 業務量や課題が共有され、上司や同僚と協力して進める体制が整っていることが多いです。
- 評価の透明性：
- 成果やプロジェクトの達成度など、評価基準が明確な職場では努力が見えやすく、納得感を得やすいという声もあります。
どの職場にも人間関係の難しさはありますが、学校特有の上下関係や閉鎖的な雰囲気から離れ、
オープンな環境に安心感を持つ人も多いようです。
(3)業務範囲の明確化と専門性の発揮
「先生は何でも屋」という言葉に象徴されるように、教員は授業以外にも膨大な業務を抱えています。
- 学級経営
- 授業準備、テスト作成、採点
- 部活動の指導
- 保護者対応（面談、電話、時にクレーム対応）
- 行事の企画・運営
- 校内分掌（教務、進路、生徒指導など）
- 事務作業、調査報告
一方で、企業では職務内容が明確に定義（ジョブ・ディスクリプション）されており、
自分の役割に集中しやすい環境が整っているケースもあります。
その結果、「特定分野の専門スキルを深められるようになった」と感じる人もいます。
(4)成果が正当に評価される環境
教員時代は安定した収入がある一方で、時間外労働の多さや手当とのバランスに課題を感じることもありました。
転職後は、成果やスキルに応じた評価制度を設けている企業が多く、
自分の努力が反映されやすくなったと感じる人もいます。
- 成果（定量評価）： 売上目標の達成度、契約件数、プロジェクトの進捗など。
- 行動（定性評価）： チームへの貢献度、新しいスキルの習得、企業理念に沿った行動など。
「頑張りが数値で可視化されることで、やりがいを感じるようになった」
という声も聞かれます。
「辞めなきゃよかった…」後悔した人の共通点
ここまで転職によるポジティブな変化をお伝えしてきましたが、中には「転職して後悔した」と感じる人がいるのも事実です。
しかし、そうした人々には明確な共通点があります。あなたが同じ轍を踏まないよう、3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
(1)転職の目的が曖昧だった
「とにかく、今の環境から逃げ出したい」
この「逃げの転職」は、最も失敗しやすいパターンです。
今の職場が辛すぎると、「どこでもいいから転職したい」という心境に陥りがちです。
その結果、転職先の労働環境や業務内容をよく吟味しないまま入社を決めてしまい、「結局、前の職場と似たような問題（例：長時間労働、人間関係）に悩まされている」という事態に繋がりかねません。
対策：「なぜ辞めたいのか」を深掘りすると同時に、「転職して何を叶えたいのか」（例：プライベートの時間を確保したい、専門性を身につけたい）という「軸」を明確にすることが不可欠です。
(2)年収ダウンを受け入れられず
教員は、その労働の対価として見合っているかは別として、公務員（またはそれに準ずる）としての安定した給与と手厚い福利厚生が保証されています。
特に、未経験の業種・職種にチャレンジする場合、一時的に年収が下がるケースは珍しくありません。
転職後に金銭面で後悔しないためには、月収だけでなく、以下の点を総合的に考慮することが重要です。
- 可処分時間（自由に使える時間）：
- 年収が下がったとしても、残業がなくなり、プライベートの時間が増えることを価値と捉えられるか。
- 優先順位：
- 仕事において、やりがい、労働時間、人間関係、賃金など、様々な要素に対する自身の最低ラインや優先順位に合致しているか。
- 生涯年収：
- 将来のライフプランを考慮し、転職先での昇給率やキャリアパスから、理想とする年収を現実的に考えられるか。
- 福利厚生：
- 家賃補助、資格取得支援、退職金制度など、給与以外の待遇が手取り額に大きく影響することを考慮しているか。
(3)「先生」という立場への未練
教員は、生徒や保護者、地域社会から「先生」と呼ばれ、一定の敬意と信頼を寄せられる、社会的地位の高い職業です。
また、生徒の成長という何物にも代えがたい「やりがい」を日々感じられる仕事でもあります。
転職して「先生」でなくなった時、
- 誰からも「先生」と呼ばれなくなる寂しさ
- 民間企業の一社員として、時に顧客から厳しい要求を突きつけられる現実
- 「人の成長に直接関わる」という分かりやすいやりがいが薄れること
こうしたギャップに直面し、「自分は教員の方が向いていたのかもしれない」と未練を感じてしまうケースです。
対策：「先生と呼ばれること」や「生徒の成長」以外に、自分が仕事に求めるもの（例：自己成長、チームでの目標達成、社会課題の解決）を見つけることが重要です。
CTA③:後悔しない転職プランを一緒に考えませんか？
転職を成功させた元教員のリアルな声3選
転職により後悔する危険性はありつつも、成功させた方々が多くいるのも事実です。
ここではそんな元教員の方の例3つをご紹介します。
Aさん：高校教員から広告運用職（IT業界）に転職！
公立高校教員 → 広告運用職（20代・男性）
「このまま教育業界にいてキャリアの先が見えないことに不安を感じ、独学でマーケティングを学び始めました。SNS広告の運用やWEBサイト制作を試行錯誤しながら学ぶうちに、成果が見える面白さに夢中になり、『これを仕事にしたい』と強く思うようになりました。転職後は、毎日新しい知識やスキルを吸収しながら、成果が数字として返ってくる仕事に思い切り打ち込めています。自分の成長を実感でき、今は本当に楽しく働けています。」
【転職活動の軸】
独学で培ったマーケティングの知識を活かせること。特に広告運用やデジタルマーケティング分野に携われる職種を志望しました。
【転職活動で苦労したこと】
広告運用の仕事は実務経験が求められることが多く、未経験採用枠は限られていました。エージェントを通じて非公開求人を紹介してもらえたことが大きな転機となりました。
【転職の成功ポイント】
- 学ぶ姿勢：未経験ながら独学で広告運用やWEB制作を継続的に学んでいたことが、強い成長意欲として評価された。
- 論理的思考力：物事を体系的に考え、課題解決策を導き出す力が評価された。
【転職後の働き方】
今が大事な時期だと考え、思いっきり仕事に打ち込んでいます。成果が数字としてダイレクトに反映されるためやりがいを感じるとともに、学んだ知識をすぐに実務に活かせる環境で働けています。
【転職後初年度の年収】
430万円
Bさん：公立中学校教員から、キャリアアドバイザーへ転職！
公立中学校教員 → キャリアアドバイザー（20代・男性）
「キャリアアドバイザーは、求職者一人ひとりの適性や希望を聞き出し、最適なキャリアプランを提案する仕事です。生徒の可能性を引き出してきた経験が、大人のキャリア支援に活かせています。サポートしていた求職者の方に内定が決まった瞬間は、教員時代以上に喜びが大きく、この仕事のやりがいを強く感じました。」
【転職活動の軸】
個人に深く貢献でき、誰かの人生に影響をもたらせる仕事を選びました。
【転職活動で苦労したこと】
異業種である分、面接対策に最も苦労しました。自身の転職では転職エージェントを活用し、担当してくださったキャリアアドバイザーの方に何度も模擬面接をしていただいたことで、乗り越えることができました。
【転職の成功ポイント】
- 進路指導経験：生徒の個性や適性を見極め、適切なアドバイスをする力が強みになった。
- コーチングスキル：生徒の悩みに寄り添い、自走を促すコーチングスキルが活かされた。
【転職後の働き方】
夜に面談が入ったり、土曜日に出勤することもありますが、労働時間は厳格に管理されているため、ワークライフバランスは充実しています。
【転職後初年度の年収】
530万円
Cさん：私立高校教員から、難関大学専門塾の講師に転職！
私立高校教員 → 難関大学専門塾の講師（30代・男性）
「私立高校では授業以外の業務が多く、授業準備に集中しきれないこともありました。しかし、転職先の塾では、レベルの高い授業の質を追求することに専念できます。」
【転職活動の軸】
自分の専門科目を徹底的に追求できる環境で働きたいという思いがありました。また、努力が収入や評価に直結する成果主義の環境で、自分の力を試したいと考えていました。
【転職活動で苦労したこと】
難関大学専門塾は即戦力性を重視するため、模擬授業の質やこれまでの実績が厳しく見られました。学校教員としての経験を、塾ならではの指導スタイルにどう応用できるかを工夫するのに苦労しました。
【転職の成功ポイント】
- 高い専門性：特定の科目や難関校対策に精通していることをアピールした。
- 成果主義への適応：自分の指導力が直接評価に結びつく環境にやりがいを感じた。
【転職後の働き方】
教員時代は部活の顧問として使う時間が多かったので、転職してから全体的な労働時間は減ったように感じます。
【転職後初年度の年収】
650万円
もっと知りたい方はこちらまで
成功者に共通する行動とは
それぞれの成功者に共通することは、以下です。
- 自身の軸を定めること
- 自身の強みを活かすこと
- 転職エージェントに相談すること
教員として働きながら以上のことをしっかりこなすことは困難が付きまとうことではありますが、転職エージェントに相談することで、無駄をはぶき、難しいステップの代行・相談をすることができます。それぞれのポイントについては次の章で紹介します。
「良かった」と思える転職を叶える3ステップ
では、後悔しない転職を叶え、「転職して本当に良かった！」と心から実感するためには、具体的に何をすればよいのでしょうか。
不安を抱えるあなたにこそ実践してほしい、確実な3つのステップをご紹介します。
「教員以外の仕事なんて…」という不安は、あなたの持つスキルが、ビジネスの世界でいかに価値があるかを知らないだけです。
まずは、教員として「当たり前」にやってきた業務を、ビジネス用語に「翻訳」してみましょう。
| 教員の経験 | ビジネススキル（強み） |
|---|---|
| 授業運営（年間計画を立て、分かりやすく教える） | プレゼンテーション能力 プロジェクト推進力 |
| 保護者対応（多様な要望を聞き、解決策を提示） | 高度な折衝能力（交渉力） 課題解決能力 |
| 学級経営（クラスの目標を設定し、生徒を導く） | チームマネジメント能力 リーダーシップ |
| 生徒指導（個々の課題を見つけ、伴走支援する） | 1on1コーチングスキル 傾聴力 |
| 校内分掌・行事運営（他教員と連携し、実行する） | マルチタスク処理能力 調整能力 |
いかがでしょうか。
これらは全て、民間企業が重視する「ポータブルスキル（持ち運び可能なスキル）」です。
あなたは知らず知らずのうちに、非常に高度なビジネススキルを日々実践してきたのです。
強みを翻訳できたら、次は「その強みを活かせる場所はどこか？」を知るステップです。教員からの転職先として、特に親和性が高い業界・職種をご紹介します。
- 人材業界（キャリアアドバイザーなど）
- 生徒の進路指導で培った「傾聴力」「コーチングスキル」がそのまま活きます。人のキャリアという「未来」に伴走する仕事です。
- 企業の研修担当（人事部）
- 授業運営で培った「プレゼン力」「教材作成能力」が武器になります。社員の成長をサポートする、社内の「先生」役です。
- EdTech（教育×IT）業界（教材開発、カスタマーサクセスなど）
- 教育現場のリアルな課題を知っていることが最大の強み。新しい教育サービスを創る側、広める側として活躍できます。
- 塾・予備校（講師、教室長）
- 「教える」スキルを活かしつつ、労働環境を改善したい場合に最適。特に教室長は「学級経営」の経験がそのまま活かせます。
- 公務員（地方自治体、教育委員会など）
- 「安定」を重視しつつ、教育行政など別の形で教育に携わりたい場合の選択肢です。（別途、公務員試験の対策が必要です）
「自分にはこれしかない」と決めつけず、教育業界の外にも目を向けることが大切です。
気になる方はこちらまで
最後のステップにして、これが最も重要です。
転職活動を、絶対に一人でやろうとしないでください。
なぜなら、教員というハードワークをこなしながら情報収集や自己分析するのには限界があり、誤った判断（＝後悔する転職）に繋がりやすいからです。
ここで活用すべきなのが、「転職エージェント」です。
転職エージェントは、あなたの転職活動を無料でサポートしてくれるプロフェッショナルです。
彼らに相談することで、以下のようなメリットが得られます。
- 客観的なキャリアの棚卸し
- STEP1で挙げた「強みの翻訳」を、プロの視点で行ってくれます。自分では気づかなかった価値を発見してもらえます。
- 非公開求人の紹介
- 一般には出回っていない、優良企業の求人（＝ホワイトな環境）を紹介してもらえる可能性が高まります。
- 面倒な作業の代行
- 職務経歴書の添削、面接日程の調整、企業との条件交渉（年収など）を全て代行してくれます。多忙なあなたの負担を劇的に減らせます。
- 「教員からの転職」への深い理解
- 特に、教員や教育業界に特化したエージェントであれば、あなたの悩みや不安に深く共感し、あなたのスキルを活かす最適なキャリアを提案してくれます。
まずは「相談だけ」でも構いません。自分の市場価値を知り、客観的なアドバイスをもらうことが、後悔しない転職への最短ルートです。
まとめ：次はあなたが「良かった」と実感する番です
「このままでは心身が持たない」
そう感じながらも、生徒への責任感や将来への不安から、身動きが取れなくなっていませんか。
しかし、この記事でお伝えした通り、あなたの「教員としての経験」は、あなたが思う以上に価値があり、そのスキルを求めている場所はたくさんあります。
あなたが心身の健康を取り戻し、カレンダー通りの休みを楽しみ、自分の専門性を高めながら正当に評価される環境で働く…それは、決して夢物語ではありません。
大切なのは、あなた自身の人生です。
あなたが笑顔でいられなければ、本当の意味で生徒たちを導くことはできません。
勇気ある一歩を踏み出し、新しいキャリアを手に入れた先輩たちに続いて、次はあなたが「転職して本当に良かった」と実感する番です。
この記事の監修者
教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る教員の道を志すもまずはビジネス経験を積もうとコンサルティングファームに入社の後、リクルートに転職。人事採用領域と教育領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、年間最優秀マネジャーとして表彰。退職後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。大手学習塾や私立大学など教育系企業のコンサルティングなど教育領域に関する知見を活かし、教育領域の転職支援を行う傍ら、京都精華大学キャリア科目の非常勤講師も務める。
