【教員から民間企業に転職】職務経歴書の書き方と具体例を紹介!

この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る京都市出身。学生時代から教員の道を志すも教育実習で課題感を感じ、まずはビジネス経験を積もうと総合コンサルティングファームのABeamConsultingに入社。その後、学んだ後に求められる力を採用の領域で体感したいと株式会社リクルートに転職。人事採用領域とまなび(教育)領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、まなび事業部では年間最優秀マネジャーとして表彰。その後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。コンサルタント兼プロジェクトマネージャーとして大手学習塾やブランド大学など教育系企業のプロジェクトを多数担い、担当した案件の全てを当初計画予定以上の成功に導く。京都精華大学 非常勤講師(キャリア科目)。
教員の経験は民間でも活かせる?まず知っておきたいポイント
「教員からキャリアチェンジしたいけど、民間企業への転職は難しそう・・・」
「教員から転職できる求人は少ないと聞いたことがある」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
たしかに、民間企業の中途採用では即戦力が求められる傾向があるため、教員からの転職は簡単ではありません。しかし、特に20代など若手であればポテンシャルを評価され、未経験からでも採用されるチャンスは十分にあります。
ここでは教員の転職でまず知っておきたいポイントをまとめました。
- 「職務経歴書」の役割とは
- 教員の仕事で評価されるスキル(マネジメント・対人力など)
- 教員から転職する上での不安や乗り越え方
「職務経歴書」の役割とは
民間企業への転職において、あなたの「顔」となるのが職務経歴書です。
これは単にこれまでの職務を羅列するものではありません。
重要なのは、あなたがこれまで培ってきたスキルを抽象化し、転職先でどのように活かせるかを示すことです。
さらに、そのスキルに紐づく想い・主体的な行動・成果のストーリーを盛り込むことで、採用担当者にあなたの強みを具体的かつ魅力的に伝えることができます。
職務経歴書でストーリーとして伝えるべきこと
①想いや主体性 | どのような思いや主体性をもって行動したのか伝わるようにしましょう。 |
---|---|
②行動 | 特に、自分ならではの創意工夫を取り入れて行った行動を具体的に書きましょう。 |
③成果・結果 | 数値の変化や客観的な表現を使い具体的に成果が伝わるように書きましょう。 |
④抽象性を高めたスキル | 「教育現場だけで通用するスキル」ではなく、転職先でも活かせるようにスキルを抽象化して伝えることが大切です。 |
職務経歴書のストーリーが採用担当者の心に響いたとき、転職成功の道が開けるでしょう。
教員としての経験がどのようなスキルに繋がるのかを具体的に紹介していきます。
教員の仕事で評価されるスキル(マネジメント・対人力など)
教員の仕事で培われるスキルは、民間企業でも高く評価される汎用性の高いものが多くあります。
具体的には、以下の能力が挙げられます。
- マネジメント力・リーダーシップ:
- 学級運営: 数十人の生徒をまとめ、目標達成に導く小規模チームのマネジメント力
- 部活動指導: 目標設定、育成計画推進、外部連携を含むプロジェクトマネジメント能力、リーダーシップ
- 行事企画・実行: 予算管理、人員配置を含むプロジェクト遂行能力
- コミュニケーション力・対人調整能力:
- 生徒との関係構築: 生徒と信頼関係を築き、成長を促す能力
- 保護者対応: 相談や要望に真摯に対応し、納得解を見出す高いコミュニケーション力と調整力
- 多様な人々との連携: 円滑な人間関係を築き、協力体制を構築する能力
教員としての日々の業務で身につけたこれらのスキルは、民間企業で大いに役立つでしょう。
教員から転職する上での不安や乗り越え方
教員からの転職は、誰もが不安を感じるものです。
「民間企業は厳しいと聞く」「自分のスキルが通用しなかったらどうしよう」といった漠然とした不安に加えて、安定した職を離れることへの抵抗もあるかもしれません。
しかし、教員として培った経験は、決して無駄にはなりません。むしろ、その経験を「自分の強み」として捉え直すことで、自信を持って転職活動に臨めることでしょう。
不安を解消するための手段として転職エージェントに相談することも挙げられます。
プロのアドバイスをもらうことで確信をもって転職活動を進められるでしょう。
職務経歴書に書くべきスキルと実績の伝え方

教員から民間企業への転職を成功させるには、職務経歴書であなたの経験をビジネススキルに変換し、
抽象度を高めることで転職先でもそのスキルが活かせることを伝えることが重要です。
ここでは、以下の具体的にアピールすべきスキルと、その効果的な伝え方を解説します。
- 学級運営、行事運営から見えるマネジメント力
- 保護者対応・生徒によるコミュニケーション力
- 指導工夫やICT活用などの改善・対応力のアピール
- PCスキルと資格のアピール
学級運営、行事運営から見えるマネジメント力
教員の学級運営や学校行事の企画・実行は、民間企業で求められるマネジメント力やリーダーシップそのものです。
学級運営を通じてマネジメント力を培いました。
教員3年目に担当した中学2年生のクラスでは、授業への集中力が低く、成績がなかなか上がらない生徒が多く、学年5クラス中で平均点は最下位でした。
そこで、クラス全体の学習意欲を高めるために「月ごとの目標設定」と「達成した内容を学級通信で表彰する仕組み」を導入。クラス全体で一体感を持って学習に取り組めるよう促しました。
その結果、秋以降は平均点が大きく上がり、クラス平均学年1位を継続して達成することができました。
保護者対応・生徒によるコミュニケーション力
教員が日々行う保護者対応や生徒指導によって、ビジネスで極めて重要なコミュニケーション力と対人調整能力が非常に高い水準で培われています。
保護者対応や生徒指導を通じて、相手に合わせた柔軟なコミュニケーション力を培いました。
中学3年生のクラスを担当していた際、家庭環境の変化により学習意欲が低下し、生活態度も乱れ始めた生徒がいました。そこで、本人と定期的に面談の時間を設けて気持ちを丁寧に聞き取り、加えて保護者とも継続的に情報共有を実施。学校での様子や家庭でのサポートを連携しながら進めました。
その結果、生徒と保護者の双方と信頼関係を築くことができ、半年後には休んでいた部活動に復帰し、学業面でも成績が当初の170%に向上しました。
指導工夫やICT活用などの改善・対応力のアピール
教員が行う指導方法の改善や新たなツールの導入経験は、民間企業で重宝される課題解決力や変化への適応力、改善提案力に直結します。
授業改善のためにICTを活用し、生徒の学習状況に応じた指導を行いました。
担当していた高校1年生のクラスでは、定期テストの平均点が学年全体で下位に位置していました。学習アプリは数年前に導入されていたものの、活用する教員が少なく定着していない状況でした。
そこで、生徒ごとの理解度を把握するために学習アプリを積極的に活用し、日常的に使い続けられるような課題を設計。週単位で学習到達度を可視化し、その結果をもとに小テストや補習内容をカスタマイズしました。
その結果、3か月後にはクラス平均点が15点向上し、学年平均を上回る水準まで改善。また、他教科の先生方にも活用方法を共有し、マニュアルを作成して横展開することで校内全体のICT活用促進にも貢献しました。
PCスキルと資格のアピール
教員業務で日常的に使用するPCスキルや取得している資格は、職務経歴書に必ず盛り込みましょう。
- PCスキル:
- Word、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトの習熟度を具体的に記載しましょう。
(例:Excelでの成績管理・データ分析、PowerPointでの保護者説明資料作成など) - 教員用システムやLMS(学習管理システム)の使用経験があれば、システム活用能力としてアピールできます。
- Word、Excel、PowerPointなどのOfficeソフトの習熟度を具体的に記載しましょう。
- 資格:
- 教員免許はもちろんのこと、TOEIC、簿記、MOS(Microsoft Office Specialist)など、業務に関連する資格は全て記載し、学習意欲や専門性をアピールしましょう。
- 資格取得のために努力した過程も、自己PRに繋がる場合があります。
職務経歴書の書き方と注意すべき点
職務経歴書を書く際には、採用担当者に「この人が入社したら活躍できそうだ」とイメージしてもらえることが重要です。
そのために、以下のポイントを意識しましょう。
- 転職理由はポジティブに書く
- 企業の求める人物像に合わせる
- 職務要約は転職先に活かせることに絞って書く
- 志望業界別に変えるべき表現や強調ポイント
転職理由はポジティブに書く
転職理由を伝える際は、前職への不満ではなく、新しい挑戦やキャリアアップへの意欲など、ポジティブな動機を伝えましょう。
「環境が悪かった」「教員という仕事が合わなかった」「組織が悪かった」といった表現は、面接官に「他責思考がある」と受け取られる可能性があります。実際、他責思考は多くの企業が面接で見極めるNG項目に含まれているため、注意が必要です。前向きな理由を示すことで、「この人は成長意欲がある」と好印象を持ってもらいやすくなります。
ネガティブな理由や他責思考のある人は、入社後も環境や会社のせいにして不満を抱くのではないかという懸念を抱かせます。ポジティブな理由に変換して、企業への貢献意欲を示しましょう。
企業の求める人物像に合わせる
どれだけ優れた経験や実績があっても、それが採用側に「自社で活かせそう」と思ってもらえなければ、書類選考を通過するのは難しいものです。
教員から民間企業への転職では、「自分の経験をどう伝えるか」以上に、「相手にどう伝わるか」が重要になります。
そのために必要なのが、応募企業のニーズを正確に捉え、それに合わせて表現を調整することです。
まず最初に、「自分が伝えたいこと」ではなく「企業が評価するポイント」に目を向ける必要があります。
例えば、営業職のような職種の場合は保護者対応で担ったコミュニケーション力を、事務職の場合は事務処理能力を評価します。
下表にまとめてみました。
塾 | 指導力 保護者対応力 マネジメント力 |
---|---|
営業職 | コミュニケーション力 論理的思考力 課題解決力 |
研修講師 | プレゼンテーション力 課題解決力 |
大学職員 | 事務処理能力 マルチタスク能力 計画力 |
教員の経験は、民間企業の人にとっては馴染みがない表現も多いため、“共通言語”であるビジネス用語に変換する作業が必要です。
例えば、教員の経験をビジネス用語に変換すると下記のようになります。
教員の経験 | ビジネス用語に変換するとしたら |
---|---|
保護者対応 | 顧客接触力 クレーム対応経験 関係構築力 |
生徒指導 | 育成 マネジメント |
教材づくり | マニュアル作成 企画書作成 |
年間指導計画作成 | プロジェクトマネジメント 年間収支計画作成 |
行事運営 | 企画運営 |
大事なのは「自分は何をしていたか」ではなく、「企業でどんなふうに役立つか」を相手がイメージしやすい言葉で伝えることです。
職務要約は転職先に活かせることに絞って書く
職務要約は、採用担当者が最初に目にする重要な部分です。
あなたのキャリア全体を網羅するのではなく、転職先で活かせる経験やスキルに焦点を絞って簡潔にまとめましょう。
A教育大学を卒業後、10年間千葉市立中学校の数学の教員として勤務しています。
部活動に関してはボランティア部、放送部などの顧問、校内分掌では生徒指導部担当と進路指導担当の経験があります。進路指導担当の際には進路面談に対する方針を明確にしマニュアル化することでその年の進路満足率を前年比120%アップさせました。また、ボランティア部では地域連携の推進に取り組み、地域企業と連携した活動を企画・運営しました。
志望業界別に変えるべき表現や強調ポイント
教員経験の活かし方は、志望する業界によって大きく異なります。業界ごとに、強調すべきポイントや表現を調整しましょう。
教育関連企業(塾、教材メーカーなど)
強調ポイント | 生徒指導経験、教材開発経験、カリキュラム作成、保護者との連携、教育現場の課題理解 |
---|---|
表現 | 「生徒の学力向上を目指し、毎回前回の授業の内容を確認する小テストを実施しました。その結果、担当クラスでは3ヶ月で平均点が10点アップしました。」「学習意欲の向上と、効果的な記憶を狙い、楽しく歴史を学べるように、オリジナルの戦国時代ボードゲームを作成し授業に取り入れました。」 「学習意欲の向上と、効果的な記憶を狙い、楽しく歴史を学べるように、オリジナルの戦国時代ボードゲームを作成し授業に取り入れました。 |
人材・研修関連の仕事
強調ポイント | 人材育成、キャリア支援、カウンセリング、プレゼンテーション、研修プログラム開発 |
---|---|
表現 | 「学習意欲が低下していた生徒に対し、本人と1週間に3回必ず面談を重ねて具体的な学習計画を一緒に作成しました。その結果、半年後には成績がクラス平均を上回り、自信を取り戻すことができました。」 「学級全体で協力して目標を達成するため、月ごとの目標を設定し、進捗を話し合う学級ミーティングを導入しました。定期的な振り返りを通じて、一人ひとりの主体性が高まり、学級全体の学力向上につながりました。」 |
営業職
強調ポイント | 提案力、交渉力、コミュニケーション力、課題解決力、目標達成意欲 |
---|---|
表現 | 「保護者面談の場では、生徒の学習状況や家庭での課題を丁寧にヒアリングし、それに応じた学習プランまで提案してきました。相手のニーズを把握し解決策を提示する力は、営業における顧客提案に直結する経験だと考えています。」 「学校行事の運営では、学年全体の課題を洗い出し、保護者・地域団体・教職員と協力して解決策を実行しました。限られた予算や日程の中で成果を出す経験を通じて、数値目標に向けた戦略立案と実行力を培いました。」 |
事務職
強調ポイント | 事務処理能力、計画性、マルチタスク処理能力、正確性、PCスキル |
---|---|
表現 | 「成績処理や通知表の作成業務を通じて、正確性と効率性を重視したデータ入力・管理を徹底してきました。限られた期間内で膨大なデータを扱う中で、業務をより効率化するためにエクセルのマクロを独学で習得。実際に活用することで、データ処理の精度とスピードを大幅に向上させることができました。」 「学校行事の運営や校務分掌の業務では、教員・保護者・地域関係者との調整を担当しました。複数の関係者と連携しながら円滑に進行管理を行う経験を通じて、スケジュール調整力や事務処理能力を身につけました。」 |
このように、応募先の業界や職種に合わせて内容を最適化することで、あなたの経験がより魅力的に伝わります。
転職に成功する職務経歴書とは
職務経歴書は、あなたの転職を成功させるための鍵になります。
前述した以下の要素を職務経歴書に入れ、転職に成功したケースを紹介します。
教員→大手人材企業に転職したAさんのケース
Aさんのプロフィール
・最終学歴:大卒
・転職時の年齢:25歳
・転職前の経験値:公立中学校の国語の教員
・転職後のキャリア:大手人材企業のキャリアアドバイザー
■職務経歴概要
A大学を卒業後、3年間、市立中学校にて国語の教員として勤務しています。学級担任業務に加え、吹奏楽部顧問や学年行事の企画・運営を担当しました。吹奏楽部では、外部コーチとの連携体制を整え、学年間交流を促す取り組みを導入。部員の意欲を高め、県大会での入賞を実現しました。
■職務経歴詳細
期間 | 業務内容 | 職位 |
---|---|---|
◯年4月 ~ ◯年3月 | ◯◯市立 ◯◯中学校 【担当業務】 ・1〜3年生の担任、国語科指導 ・学年行事担当 ・吹奏楽部顧問 【業務内で工夫した点】 ・小テストを実施し生徒それぞれの習熟度の把握に活用しました。個別に支援が必要な生徒や、小テストの結果が悪くなってきた生徒には、授業内や放課後に声をかけ、丁寧に指導しました。 ・学習に対し苦手意識がある生徒もいたため、小テストを行う際にはポイントカード制度や再チャレンジ制度を導入する等して生徒のモチベーションを引き出しました。 ・吹奏楽部の顧問を担当した際、学年間の壁が強く、十分なコミュニケーションが取れてい ないことが課題だと着眼し、学年間交流を促進するミーティングや懇親会を企画。結果と してチームの一体感が生まれコンクールでの成績を伸ばすことができました。 | 教諭 |
■PCスキル/テクニカルスキル
Word、Excel、PowerPoint
■活かせる経験やスキル
<様々な立場とのコミュニケーション力>
教員として、生徒だけでなく保護者やスクールカウンセラー、地域の方々など幅広い立場の人々との関係性を築きながら教育活動を行ってまいりました。特に保健室登校の生徒がいるクラスを受け持った際には、スクールカウンセラーと定期的に報告しあう場と情報共有のフォーマットをつくり、生徒が抱える課題やニーズを共有し、双方の専門性を活かして対応策を検討しました。この連携により、生徒がより安心して学校生活を送ることができる環境を整えました。
<キャリア支援力>
担任として、生徒一人ひとりと丁寧にコミュニケーションをとり、進路希望や適性を踏まえながら、進学先選びや学習計画のサポートを行ってきました。特に学力に自信を失い、進学意欲が低下していた生徒に対しては、定期的な面談を実施し、本人の得意分野や興味を丁寧に引き出しました。その上で、実現可能な短期目標を一緒に設定し、小さな達成体験を積み重ねる仕組みを作りました。結果として、生徒は自信を取り戻し志望校に合格、前向きな姿勢で高校生活に進むことができました。
■自己PR
私の強みは、ヒアリング力です。吹奏楽部の顧問を務めていた際、一人ひとりの演奏スキルは高いものの、チームとしての一体感がなく成果が出せない状況が続いていました。原因を探るために分析を行ったところ、外部コーチの指導方針に生徒が納得していない点が大きな要因であると気づきました。
そこで、外部コーチには指導方針やその背景にある意図を丁寧にヒアリングし、生徒一人ひとりにも個別に意見を聞き取りました。掘り下げて言語化を進めると、実際には双方とも同じ方向を目指しているものの、認識のずれによって不信感や溝が生じていることが明らかになりました。私は両者の意見を整理し、分かりやすく橋渡しを行うことで信頼関係を回復させることができました。その結果、チーム全体に一体感が生まれ、当初「弱小」と言われていた吹奏楽部は目標としていた県コンクールでの入賞を実現しました。
この経験を通じて、私自身が介在することで人や組織が前進し、成長を喜んでもらえることこそが自分の大きなモチベーションであると強く感じました。今後はこの力を教育現場にとどめるのではなく、個人の人生における大きな転機である「転職」の場で活かしたいと考えています。求職者の思いや希望を丁寧に聞き取り、その人らしいキャリア形成を支援するキャリアアドバイザーとして、多くの方の人生に貢献できればと考えております。
教員→教育系のIT企業に転職したBさんのケース
Bさんのプロフィール
・転職後のキャリア:教育系のIT企業の営業
・最終学歴:大卒
・転職時の年齢:28歳
・転職前の経験値:公立中学校の数学の教員
■職務経歴概要
B大学を卒業後、◯◯年より現在まで中学校にて数学の教員をしています。学級担任業務に加え、GIGAクール推進担当として積極的に校内のIT化整備に努めました。顧問として担当していたボランティア部では地域連携の推進に取り組み、地域企業や地元の公立図書館などと連携した活動を企画・運営しました。
■職務経歴詳細
期間 | 業務内容 | 職位 |
---|---|---|
◯年4月 ~ ◯年3月 | ◯◯市立 ◯◯中学校 【担当業務】 ・2年生の担任、数学指導 ・放送部顧問 【業務内で工夫した点】 ・生徒へのフィードバックを工夫しました。生徒の提出物に対して必ず、評価の理由と更なる工夫点という2つの観点でコメントを書くようにしました。さらに時間ごとの振り返りカードなどで生徒と細かくコミュニケーションをとるようにしたことで、生徒の学習意欲を高めました。 | 教諭 |
◯年4月 ~ ◯年3月 | ◯◯市立 ◯◯中学校 【担当業務】 ・1〜3年生の担任、数学指導 ・GIGAスクール推進担当 ・ボランティア部顧問 【業務内で工夫した点】 ・長時間労働が常態化している学校現場の負担を少しでも減らし、残業時間を削減できるよう、ITツール活用マニュアルを作成しました。これにより学校全体の作業効率が向上しました。 ・アプリケーションを活用した授業の推進を積極的に行いました。生徒の課題提出や小テストなども紙ベースを撤廃し端末で作成しました。リアルタイムで細かくフィードバックできる点や管理がしやすいという点で生徒からも好評でした。 ・ボランティア部の活動として、地域企業や地域住民との交流を活性化させるイベントを企画・運営しました。また、地域貢献として福祉施設のポスター作りなども生徒とともに行いました。 | 教諭 |
■PCスキル/テクニカルスキル
Word、Excel、PowerPoint
■活かせる経験やスキル
<ICT機器の運用>
・新規導入された端末の備品管理やアカウント作成・管理を担当。環境整備を通じて教員・生徒が円滑に利用できる体制を構築しました。
・CMSを用いた学校ホームページの管理を担当し、保護者や地域に向けたタイムリーな情報発信を行いました。
<コミュニケーション力>
・学級担任として、学校への不満が強くクレームに発展しがちな保護者と関わりました。根気強く要望をヒアリングし、本人も言語化できていなかった不満を一緒に整理。現実的な解決策を丁寧にすり合わせることで信頼関係を構築し、良好な関係へ改善させることができました。
■自己PR
私の強みは、課題解決力です。GIGAスクール推進担当になった際に、新たに導入されたICT端末が、教員や生徒に十分活用されず定着しない状況がありました。そこで私は、職員会議にて具体的な活用事例を提示し、授業効率化や労働時間削減につながる可能性を提案しました。その後、現場からの要望を受けて教員向けの研修プログラムを作成するとともに、オリジナルのマニュアルを作成。段階的に活用スキルを広め、導入から1年で端末の利用を完全に定着させ、授業準備や成績処理にかかる時間を大幅に削減することができました。結果として学校全体で導入後の残業時間を30%削減させることができました。
この経験を通じて、ITツールをうまく導入すれば教育全体に大きなインパクトをもたらせることを実感しました。しかし、公立学校という枠組みの中では、自分の工夫が限られた範囲にしか波及しないことに課題を感じています。今後はこれまで培った課題解決力を活かし、より多くの学校や教育機関に向けて、IT活用を広げていけるような仕事に挑戦したいと考えています。御社の営業職として、教育現場に新しい価値を届け、より良い学びの環境をつくる一助となりたいです。
書類通過した職務経歴書の特徴とは?
書類選考を突破する職務経歴書には、いくつかの共通する特徴があります。
・簡潔で分かりやすい構成:
忙しい採用担当者が短時間で内容を把握できるよう、読みやすく、要点がまとまっていること。
箇条書きや具体的な数字を使いましょう。
・具体的なエピソードと成果:
自身の貢献度を具体的なエピソードで明確に示すこと。結果は可能な限り数字で表現しましょう。
・ポジティブな転職理由と意欲:
転職理由を前向きに表現し、入社後の貢献意欲や将来的な目標を明確に伝えること。
・汎用性の高いスキルに変換:
採用担当があなたが転職後に活躍する姿を具体的にイメージしやすくなるように伝えましょう。
この記事ではこれまで伝えるべきスキルや強調ポイントをまとめてきましたが、あくまで一例にすぎません。応募する企業や人それぞれ持つ経験によって強調することも表現も多様です。
そのため、自身の持つ経験やスキルが採用担当に刺さるように翻訳し、抽象度を高める作業や、そもそも自分のスキルを見つける作業を一人で行うことは最も難しく、確信が持てずに不安を持ち続けながら転職活動を行う人も少なくありません。
そんなときは転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか。
転職エージェントの活用法
転職活動をスムーズに進める上で、業界特化型のエージェントを活用することは非常に有効です。
非公開求人の紹介 | 一般には公開されていない、優良な非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。 |
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業界・職種の情報提供 | あなたの教員経験が活かせる業界や職種に関する深い情報や、最新の市場トレンドを提供してくれます。 |
応募書類の添削・面接対策 | 履歴書や職務経歴書の添削、模擬面接などを通じて、あなたの魅力を最大限に引き出すサポートをしてくれます。 |
企業との橋渡し | あなたの強みを企業に伝え、企業との間に入って年収交渉や入社時期の調整などを行ってくれます。 |
第三者視点でのアドバイス | 客観的な視点から、あなたのキャリアプランや転職活動の進め方について具体的なアドバイスを提供してくれます。 |
特に、教員としての経験を異業種で活かしたいと考えている場合、自身のスキルをどのように「翻訳」して伝えるかが重要になります。
教育業界に理解があり、かつ他業界の転職事情にも詳しいキャリアアドバイザーのサポートは、あなたの転職成功の大きな鍵となるでしょう。
この記事の監修者

教育転職ドットコム 田中
代表取締役
詳しく見る京都市出身。学生時代から教員の道を志すも教育実習で課題感を感じ、まずはビジネス経験を積もうと総合コンサルティングファームのABeamConsultingに入社。その後、学んだ後に求められる力を採用の領域で体感したいと株式会社リクルートに転職。人事採用領域とまなび(教育)領域で12年間、法人営業および営業責任者として従事し、まなび事業部では年間最優秀マネジャーとして表彰。その後、海外教育ベンチャーの取締役などを経て株式会社コトブックを創業。コンサルタント兼プロジェクトマネージャーとして大手学習塾やブランド大学など教育系企業のプロジェクトを多数担い、担当した案件の全てを当初計画予定以上の成功に導く。京都精華大学 非常勤講師(キャリア科目)。