塾講師の生活リズムは?1日、1週間、1年のスケジュールをご紹介!

この記事の監修者

教育転職ドットコム 吉田

教育転職ドットコム 吉田

キャリアアドバイザー

詳しく見る

新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。まなび(教育)領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後教育関連企業(学習塾)を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、地域の保護者を対象にした高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わっている。2022年株式会社コトブックへ参画。

「塾講師って夜遅くまで働いてそう…」
「午前中は本当に自由?プライベートとのバランスってとれるの?」
「体調を崩しそうで不安…」

塾講師という仕事に興味があっても、生活リズムや働き方の実態が見えないと、一歩を踏み出しにくいですよね。そこで今回は、実際に働く2年目塾講師Aさんの1日・1週間・1年の実際のスケジュールを元に、塾講師のリアルな働き方を徹底解剖します。

この記事の目次

こんなお悩みありませんか?

  • 残業が少ない塾の求人が知りたい
  • 塾講師の働き方の実態をもっと知りたい
  • 土日休みの塾の求人が知りたい

教育業界専門の
キャリアアドバイザーが担当

【実録】2年目塾講師Aさんの1日のスケジュール

1日のスケジュール例

まずはAさんの平日(通常期)のタイムスケジュールを見てみましょう。

9:00〜12:00起床・朝食・家事・読書など自由時間
13:00〜14:00 昼食・移動
14:00〜15:00出勤
15:00〜21:30授業・休憩(15分〜30分)をはさみながら3〜4コマ対応
22:00〜23:00片付け・報告書入力・翌日の準備
23:30〜24:30帰宅・夕食・就寝準備
25:00前後就寝

朝の出勤時間はどれくらい?朝の時間はプライベートに活用できる?

塾講師の出勤時間は14:00頃が一般的で、それまでの時間は完全に自由に使えることが多いです。

Aさんは週2回ジムに通い、週末には読書や資格試験の勉強にも取り組んでいます。午前の時間が確保されているため、一般的な会社員よりも自己研鑽の時間を取りやすい可能性もあります。

もともと夜型で朝に弱いというAさん。特に、朝型の生活に無理に合わせる必要がないので、夜型タイプの人にはかなり働きやすい環境だと言えます。また、家族と朝食を一緒に取れることや、通勤ラッシュを避けられる点も、精神的なゆとりに繋がっているとのこと。

ただし、会議や研修、模試の採点対応などで午前から出勤する日も週1〜2回程度は発生することもあるようです。

夜の残業はどれくらい?退勤後はどれくらいプライベートの時間がある?

授業が終わるのは21:30頃。そこから事務作業や翌日の準備があり、退勤時間はは22:30頃が平均です。

Aさんの勤務先では22:30完全退勤が基本で、それを超える残業は月に数回あるかないか。授業が押したり、生徒や保護者とのやり取りが長引く場合に遅くなることがあるようです。

夜が遅いぶん、朝の時間を有効活用できれば、プライベートの充実度を高めることができそうです。

プライベートで呼び出されることはある?

緊急時の対応はありますが、勤務時間外に物理的に呼び出されることはほとんどありません。

これは塾にもよりますが、保護者や生徒との直接やり取りをすることを禁止している場合もあります。そのため、「保護者や生徒から、休日や夜中に電話がかかってくる」「突然休日に出勤させられる」といったことはほとんどありません。

Aさんの場合は、「呼び出しというより、LINEやメールでの確認事項に返答するくらい」で済むことが多いとのこと。個人塾か大手塾か、教室長との関係性によって差が出る部分でもあります。

塾講師の1週間のスケジュール

1日のスケジュールだけでは分かりづらいのが、塾講師の業務の波です。塾講師の忙しさは時期によって大きく異なり、「繁忙期」と「閑散期」で働き方が大きく変わるのも特徴です。ここではそれぞれのパターンを紹介します。

繁忙期の1週間のスケジュール例

入試直前期(1月〜2月)や夏期・冬期講習(7月〜8月、12月)などは、授業数も生徒数も増える繁忙期です。

曜日勤務時間内容
月〜金13:00〜22:30授業4〜5コマ、面談、課題チェックなど
10:00〜18:00模試監督、質問対応、保護者説明会など
休み(ただし月1回程度出勤あり)

繁忙期は授業日数が集中するため、通常よりも勤務日が詰まっているケースが多くなります。その代わり、落ち着いた時期にリフレッシュ休暇が取得できる塾もあります。

落ち着いている時期の1週間のスケジュール例

新学期直後(4〜5月)や模試期間前の秋(9月〜10月)などは、比較的授業数が少なく、業務もゆるやかになります。

曜日勤務時間内容
月〜金14:00〜21:00授業2〜3コマ、教材研究、教室整備
土・日完全休みまたは半日出勤

月〜金のうち、どこか1日と日曜日を休みにしている塾も多いです。この時期は有給を取得しやすいため、旅行や帰省などに活用する講師も多く見られます。

塾講師の1年間のスケジュール

年間スケジュールを知ることは、長期的に働くうえでの見通しを立てる上で非常に重要です。塾講師の1年は、学校行事や受験スケジュールに大きく左右されるため、それに応じた業務量の変動があります。

塾講師の1年のスケジュール例

内容
4月新学年スタート。新入塾生対応や教材準備
5月中間テスト対策、保護者面談開始
6〜7月期末試験、夏期講習準備
8月夏期講習本番、ほぼ毎日開講される
9〜10月秋の模試対策、新規生募集活動
11月冬期講習準備、入試直前対応開始
12月冬期講習、進路相談増加
1月〜2月受験本番、ほぼ毎日開講される
3月卒業・進学報告、春期講習、新年度準備

夏期講習期間の働き方

時期7月後半から8月末にかけて行われる
授業内容既習範囲の総復習や応用問題演習、入試レベルの実践演習などが中心となり、通常授業よりも授業内容の密度が高くなる。
業務内容・準備に要する時間も増え、授業の合間に教材の見直しや生徒一人ひとりへの対応が求められる
・短期講座の受講生が増えるタイミングでもあり、新規生徒の受け入れ面談や学力把握、保護者対応なども発生
・講師にとっては、既存のカリキュラムと新規対応を両立させる柔軟さとスピードが求められる
残業時間おおよそ3時間ほど残業時間が増えるケースが多い

夏期講習は生徒の成績を大きく伸ばせるチャンスの時期でもあり、努力が成果に結びつきやすい特徴もあります。「この夏で変われた」という声を生徒から直接聞けることも多く、講師として大きなやりがいを感じられる期間でもあります。

なお、夏期講習中は授業日数が集中するため、通常よりも勤務日が詰まっているケースが多くなります。その代わり、8月下旬〜9月上旬にかけてリフレッシュ休暇が取得できる塾もあり、まとまった連休が取れる貴重なタイミングでもあります。旅行や帰省など、プライベートの予定を立てやすいのもこの時期の特徴です。

冬季講習期間の働き方

時期・12月末から1月初旬
・具体的には、12月25日頃から新年1月7日頃までの約2週間
授業内容・受験を控える中学3年生・高校3年生にとって最後の長期講習期間を担当
・入試に直結する総まとめや応用問題の演習が中心
業務内容・朝から夜までぎっしり詰まった時間割になることも
・入試に直結する総まとめや応用問題の演習が中心となるため、授業の密度が高く、準備にかかる時間やエネルギーも普段以上に必要
・講師同士で問題演習の進捗を確認したり、補習の必要な生徒を確認するなど、講師間 同士の情報連携も重要
・インフルエンザや風邪などの感染症が流行する季節でもあり、講師自身の健康管理が極めて重要
残業時間おおよそ3時間ほど残業時間が増えるケースが多い

年末年始という時期柄、家族との時間やプライベートの過ごし方に悩む講師も多く、職場によっては12月30日〜1月2日を休講とし、交代で講師に休みを取らせる工夫をしているところもあります

このように、冬期講習は時間的・精神的にも負荷が高い一方で、生徒の成長を間近で見守れる非常にやりがいのある時期でもあります。

大学入試前後の春は最も忙しい!

時期・大学入試直前の1~2月
・合格発表ピークの3月初旬
授業内容・大学入学共通テスト(旧センター試験)対策の直前講座の実施、自己採点のフォロー
業務内容・大学受験者の自己採点のフォロー、併願校の選定相談などが集中
・国公立大学志望者には前期・後期の出願先を最終決定するサポートも必要
・講師は生徒一人ひとりの得点状況や志望動向に応じて、進路面談を連日行うことも珍しくない
・「繰り上げ合格の確認」「入学手続きの相談」「私立大学との併願調整」などの質問を生徒や保護者から受ける場合も
・大学によって入試制度、入試日程、入学金納入日などが様々なため、生徒一人一人の結果をみながら計画を立て直す必要あり
・同時に、現高2生や中2生に向けた次年度のカリキュラム準備、春期講習の教材作成など、新年度の準備もスタート
残業時間おおよそ3時間ほど残業時間が増えるケースが多い

塾講師の働き方・待遇についてもっと知りたい

ここまで1日、1週間、1年のスケジュールを通して塾講師の働き方を見てきました。ここからはもう少し踏み込んで、「勤務先ごとの違い」「残業や健康管理」「プライベートとの両立」といった点についてもご紹介します。

塾によって働き方はこんなに違う|大手企業と個人塾の違い

塾講師というと一括りにされがちですが、実際には「大手進学塾」「地域密着の中小塾」「個人経営の小規模塾」など、塾によって働く環境には大きな違いがあります。

大手と個人経営の違い例
大手・研修制度やマニュアルが整っており、労働時間や福利厚生もしっかりしている可能性が高い
・部署異動や勤務先変更の可能性がある
個人経営・授業の自由度が高い
・柔軟な働き方ができるケースも
・個人の裁量に任されがちで、人によって指導方法にばらつきがでやすい

塾業界の平均残業時間と健康とのバランス

残業時間は塾によってまちまちですが、月20〜40時間程度というのが一般的な目安です。これは、1日あたり1〜2時間の残業が発生するという計算になります。特に定期テスト前や受験シーズンなどの繁忙期には、月60時間を超えることもあり、連日22時を過ぎて退勤する講師も少なくありません。

ただし、最近ではワークライフバランスの改善に取り組む塾も増えており、繁忙期以外の時期には定時退勤を徹底したり、有給休暇の取得を推奨したりする職場が見られるようになってきました。特に9月〜10月や3月末などの閑散期には、週休2日が完全に確保されていたり、勤務時間を短縮する時短勤務制度を導入している例もあります。

プライベートとも両立しやすい塾の求人の探し方

「働きやすい塾」を探す際は、以下のポイントをチェックするのがおすすめです

  • 授業以外の業務量(報告書作成や保護者対応など)が明確か
  • 定時退勤の実績や「残業なし」と明記されているか
  • 教室ごとのシフト制か、固定勤務制か
  • 有給取得率・産休育休制度の有無
  • チームで業務を分担しているか

また、求人情報だけで判断せず、実際に働いている講師の声や企業口コミ、採用面談時の質問などを通じて、リアルな働き方を把握することが重要です。

塾講師の生活リズムについて気になるなら教育業界特化の転職エージェントに相談しよう

塾講師の仕事に興味がある、あるいは現在の職場に不安を感じている方にとって、「教育業界に詳しい転職エージェント」に相談することは非常に有効な手段です。

教育業界特化のエージェントであれば、塾の規模ごとの働き方や待遇の違い、教室内の雰囲気や人間関係、残業の実態など、求人票には載らないリアルな情報を提供してくれます。また、「夜型の生活が自分に合うのか」「自分の希望条件で働ける塾はあるか」といった個別の相談にも丁寧に対応してくれます。

さらに、エージェント経由で応募することで、面接日程の調整や条件交渉も代行してもらえるため、忙しい塾講師にとっては心強い味方となるでしょう。

人生の大切な時間を過ごす職場だからこそ、納得のいく選択をしていきましょう。

この記事の監修者

教育転職ドットコム 吉田

教育転職ドットコム 吉田

キャリアアドバイザー

詳しく見る

新卒で会計コンサルティングファームに入社し内部統制構築支援や決算早期化支援プロジェクト等に携わった後、リクルートへ転職。まなび(教育)領域で大学を中心とした高等教育機関の募集戦略の策定やマーケティング支援に携わる。その後教育関連企業(学習塾)を立ち上げ、創業2か月で単月黒字を達成。学習塾運営のみならず、地域の保護者を対象にした高校大学受験のための進路指導講演会、高校入試問題の作成等、「教育」分野へ広範にわたって関わっている。2022年株式会社コトブックへ参画。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事の目次